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逍遙
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さまよ
ふりがな文庫
“
逍遙
(
さまよ
)” の例文
それからの妾は孤独な
花子
(
アナコ
)
の首を抱えて巴里の隅々を妾の魂を求めて
逍遙
(
さまよ
)
ったのです。その
中
(
うち
)
にロオズ夫人もこの世から亡くなられました。
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
その次には隱れ場所から離れて、草地の中に
逍遙
(
さまよ
)
ひ込む。そしてその大きな
邸
(
やしき
)
の前に不意に釘づけにされ、それに向つての長い、思ひ切つた凝視。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
深い思ひを抱いてうつら/\と
逍遙
(
さまよ
)
つた若いみのるの顏の上に雫を散らした
堤
(
どて
)
の櫻の花は、今もあゝして咲いてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
編笠にかくれた
面立
(
おもだち
)
は解りませぬが、年のころは三十あまりと思われるのが、
只
(
ただ
)
一人、供もつれず、物思いがちにブラリブラリと
逍遙
(
さまよ
)
っておりました。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
さうして林の中を
逍遙
(
さまよ
)
つてゐる時にも、都会の女達の姿はをりをりかれの心を掠めて行かないではなかつた。かれは本郷あたりのカフヱで見た女を頭に描いた。
赤い鳥居
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
この心地は、かの我を忘れて、
魂
(
たましひ
)
無何有
(
むかう
)
の境に
逍遙
(
さまよ
)
ふといふ心地ではない。謂はゞ、東雲の光が骨の中まで沁み込んで、身も心も水の如く透き徹る樣な心地だ。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は詰め所からうかうか出て苑内深く
逍遙
(
さまよ
)
って行った。あたりは
森
(
しん
)
と静かである。誰も咎める者もない。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そうして
逍遙
(
さまよ
)
うた
揚句
(
あげく
)
には、
屹度
(
きっと
)
上野の
停車場
(
ていしゃば
)
へやって行ったものであった。
郷愁
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
笛を吹きながら
逍遙
(
さまよ
)
い歩く盲目の男女、しゃがれた声と破れ三味線で、歌って行く老婆二人と娘一人。一厘貰って家の前で祈祷する禿頭の、鈴を持った男。大声で笑う群衆にかこまれて話をする男。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
わたしは岩の間を
逍遙
(
さまよ
)
ひ
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
崩れ落ちた壁の周りを、荒廢した内部を拔けて
逍遙
(
さまよ
)
ふうちに、私は火事は近頃起つたのではないといふ證據を集めた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
昼は足を
※
(
や
)
く川原の石も、夜露を吸つて心地よく冷えた。処々に咲き乱れた月見草が、
暗
(
やみ
)
に仄かに匂うてゐる。その間を縫うて、二人はそこはかとなく
逍遙
(
さまよ
)
うた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
博士とラシイヌとは肩を並べ沙漠を
的
(
あて
)
なく
逍遙
(
さまよ
)
いながら、感慨深そうに話し合った。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
また部屋の中を
逍遙
(
さまよ
)
ふかと思へば私に注がれるこの暗い恐怖に光つてゐる眼を、見守つてゐなくてはならない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その塚のあたりを
逍遙
(
さまよ
)
っておられますと、お父様が、来栖勘兵衛と勘違いされ
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
自分は唯
恍
(
くわう
)
として之に見入つた。この心地は、かの我を忘れて魂
無何有
(
むかう
)
の境に
逍遙
(
さまよ
)
ふといふ心地ではない。謂はば、東雲の光が骨の中まで沁み込んで、身も心も水の如く透き徹る様な心地だ。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この頃栞は、林の中を
逍遙
(
さまよ
)
っていた。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
逍
漢検1級
部首:⾡
11画
遙
部首:⾡
14画
“逍遙”で始まる語句
逍遙軒
逍遙遊
逍遙人
逍遙城
逍遙場
逍遙子
逍遙馬車