“しょうよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
従容29.9%
逍遥26.5%
慫慂18.5%
逍遙15.6%
称揚2.4%
鍾繇1.9%
徜徉1.4%
賞揚1.4%
衝要0.9%
小葉0.5%
(他:2)1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言い終るとまもなく、彼は従容しょうようとして死に就いた。宋江も呉用も、哀哭あいこくしてとりすがったが、魂魄こんぱく、ついに還らなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は、従容しょうようとして席に復した。が、あまたたび額の汗をぬぐった。汗は氷のごとく冷たかろう、と私は思わず慄然りつぜんとした。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして、頭から静かに、玉鬘たまかずらを取りはずし、首から勾玉をとりはずすと、長羅の眼を閉じた顔を従容しょうようとして見詰めていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
アグリパイナは、ネロの手をひいて孤島のなぎさ逍遥しょうようし、水平線のかなたを指さし、ドミチウスや、ロオマは、きっと、あの辺だよ。
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)
カーライルが麦藁帽むぎわらぼう阿弥陀あみだかぶって寝巻姿のままくわ煙管ぎせる逍遥しょうようしたのはこの庭園である。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
之と争って、時われに利あらず、旗を巻いて家を飛び出し、近くの井の頭公園の池畔をひとり逍遥しょうようしている時の気持の暗さは類が無い。
花吹雪 (新字新仮名) / 太宰治(著)
憐愍れんびんをあたえるような態度で土地選定を慫慂しょうようした馬上の男は、ともに天をいただかずとした薩派さっぱ系の人物であったことだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
と暗に、わたくしに遠慮することを慫慂しょうようして、その間に信玄袋の中に何か出し入れして仕末したり、感慨にふけったりする所作もありました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ここに自分と向かい合っている男が、かつて鬼火の姥によって裏切りを慫慂しょうようされた時、現われて来た若い山伏——それであろうとは知らなかった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
冬の一番の眺めは雪の降った中に数多あまたの鶴が逍遙しょうようして居るのを見るのですが、ラサ府では雪が降っても大抵二、三日で融けてしまう。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
八月十六日以来、謙信は只々山上を逍遙しょうようして古詩を咏じ琵琶を弾じ自ら小鼓をうって近習に謡わせるなど余裕綽々しゃくしゃくであった。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
その身を終ることはこれ有るべし、寒山子かんざんしの如くに、蕭散閑曠しょうさんかんこう塵表じんぴょう逍遙しょうようして
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なるほど——と、いって、特に藤吉郎の顔を見る。彼のその方の才を称揚しょうようしている微笑だった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——にもかかわらず、かくの如き武勇凛々りんりんたる子弟を、時代の真っ先に送り出していることは、まことに文武両道の家なればこそ、父なればこそと、子のために、その親たる人まで、大いに称揚しょうようされた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
言を極めて彼の徳と彼の力を称揚しょうようする。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
すると、また一人、雲箋うんせんに詩を記して立った者がある。東武亭侯侍中尚書じちゅうしょうしょ鍾繇しょうよう、字は元常げんじょうであった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鍾繇しょうようは、魏の大老である。野に隠れたる大人物とは、いったい誰をさしていうのか。叡帝えいてい忌憚きたんなくそれをげよといった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
留守の鍾繇しょうようはもう逃げ出している始末、罵り合ってみたものの追いつかない。曹洪、徐晃も支え得ず、関の守りを捨てて走った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アレほど我を忘れて夢幻に徜徉しょうようするような心地のしたのはその後にない。
露伴の出世咄 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
四辺あたりの景色に見惚みとれて居りますと、彼方の雪山のいただきに白雲の飛びうその変幻出没の有様は、あたかも雪山の仙人が雲に乗りて遊戯三昧さんまいに入り、あちらこちらに徜徉しょうようして居るかのごとくに見えるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
四十年ほど已前、紀州湯浅町の良家の若い妻が盆踊りを見に往きて海岸に徜徉しょうようするところを、壮漢数輩らっして沖の小島へ伴れ行き輪姦せしを本人も一族もじて、大亀の背に乗せて島へ運ばれたと浦島子伝の翻案を言い触らしていた。
もとより秀吉も機嫌のわるいわけはないが、さりとて市松が期待したほど賞揚しょうようもしてくれない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一旦いったん木村博士を賞揚しょうようするならば、木村博士の功績に応じて、他の学者もまた適当の名誉をになうのが正当であるのに、他の学者は木村博士の表彰前と同じ暗黒な平面に取り残されて、ただ一の木村博士のみが
学者と名誉 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
主僧もやはり晶子の歌を賞揚しょうようしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ここは街道衝要しょうようなところなので、甲府こうふへいくにも南信濃みなみしなのへはいるにも、どうしても、通らねばならぬ地点になっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは鎌倉時代から、衝要しょうような関東の往来なので、道はひらけているが、鬱蒼うっそうとした樹木が左右の小高い山をつつみ、夜となると、通る人影は稀れだった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かく小葉しょうようが一ように九へんあるので、それで中国でこの草を三葉草ようそうというのだが、淫羊藿いんようかくというのがその本名である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ミカン類の葉はみな一片ずつになっていて、それがえだ互生ごせいしているが、しかしミカン類の葉は祖先は三出葉とて三枚の小葉しょうようからり、ちょうどカラタチ(キコク)の葉を見るようであったことが推想すいそうせられる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と、従客しょうようとして断案を下したのである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近頃めつきり濃くなつた妹の頬紅のさしやうも、眉ずみの巧みな曲線も、ひたひに捺した可愛らしい緑いろの花子も、あるひは口の左右にぽつんとつけた粧靨しょうようすらも、姉の眼から秘密をおほふヴェールの役は、たうてい果せるものではなかつたのだ。
鸚鵡:『白鳳』第二部 (新字旧仮名) / 神西清(著)