旧字:從容
なお、その親戚の一人からの手紙には、「助かる見込のない事を宣告された時の伯父は、実に従容としていて、顔色一つ変えなかった」
オールへ水の引掛け方も従容と、室子の艇の、左舷の四分の一の辺へ、艇頭を定めると、ほとんど半メートルの差もなく漕ぎ連れて来る。
大風の吹き去ったあとの枯野に端坐している心持で、従容としてその一曲を弾じつづけている形は、見事というべきものです。
「そうだ。君たち少年だけで、大空へ脱れたまえ。わしと、博士とは、従容して、君たちを送るよ」怪老人も、僕等を促す。