衝要しょうよう)” の例文
ここは鎌倉時代から、衝要しょうような関東の往来なので、道はひらけているが、鬱蒼うっそうとした樹木が左右の小高い山をつつみ、夜となると、通る人影は稀れだった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見ると鳥刺とりさし姿の可児才蔵かにさいぞうが、山路やまじをこえてこの部落にはいってきたのだ。ここは街道衝要しょうようなところなので、甲府こうふへいくにも南信濃みなみしなのへはいるにも、どうしても、通らねばならぬ地点になっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)