徜徉しょうよう)” の例文
アレほど我を忘れて夢幻に徜徉しょうようするような心地のしたのはその後にない。短篇ではあるが、世界の大文学に入るべきものだ。
露伴の出世咄 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
紀州湯浅町の良家の若い妻が盆踊りを見に往きて海岸に徜徉しょうようするところを、壮漢数輩らっして沖の小島へ伴れ行き輪姦せしを本人も一族もじて
四辺あたりの景色に見惚みとれて居りますと、彼方の雪山のいただきに白雲の飛びうその変幻出没の有様は、あたかも雪山の仙人が雲に乗りて遊戯三昧さんまいに入り、あちらこちらに徜徉しょうようして居るかのごとくに見えるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)