称揚しょうよう)” の例文
敵を称揚しょうようするような呟きである。兵部には、内蔵助の気もちが、こうして居ても実にわかる気がする。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
某月某日ぼうげつぼうじつには某所においてみなぎる流れをおかして川越えをなしたとか、その他かくのごとき逸事いつじがある、かくのごとき軍功があると、言を極めて彼の徳と彼の力を称揚しょうようする。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
とお父さんが称揚しょうようした。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ことに伊那丸いなまるは、竹童かえるの声をきくと、みずから幔幕まんまくをしぼってそれへ立ちいで、人穴城ひとあなじょういらいのこう称揚しょうようして、手ずから般若丸長光はんにゃまるながみつ脇差わきざし褒美ほうびとして、かれにあたえた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にもかかわらず、かくの如き武勇凛々りんりんたる子弟を、時代の真っ先に送り出していることは、まことに文武両道の家なればこそ、父なればこそと、子のために、その親たる人まで、大いに称揚しょうようされた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼のその方の才を称揚しょうようしている微笑だった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)