逍遙せうえう)” の例文
雨が振つて来たので傘をさしていつまでも園中を逍遙せうえうしたが、芭蕉・蕪村の趣味から行けば、晩春・行春の気品といふべきである。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
陪乗したるは清洒せいしやなる当世風の年少紳士、木立の間に逍遙せうえうする一個の人影を認むるやゆびさしつつ声をヒソめ「閣下、彼処かしこを革命が歩るいて居りまする」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
夕まぐれ、風のもなかの逍遙せうえう
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
あさ逍遙せうえうの其の一日
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
には逍遙せうえうれて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
篠田はいつもの如く早く起き出でて、一大象牙盤ざうげばんとも見るべき後圃こうほの雪、いと惜しげに下駄をいんしつゝ逍遙せうえうす、日の光ははるか地平線下にいこひぬれど、夜の神がし成せる清新の空気は
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)