忽々そうそう)” の例文
握らせて、さあ早く出て行け、ぐずぐずしているとお前の命が無いというので……。わたしも何だか気味がわるくなって、忽々そうそうに逃げて帰りました
「それではお約束ですから最早もうお止め致しません。余りお忽々そうそうでございますわね」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
木暮村へ到着忽々そうそう、まづ下婢の美貌にたぢろいだのが皮切りで、その後村を歩いてゐると、藁屋根の下に釣瓶の水を汲む娘や、柴を負ふて山を降る女達、また往還の日当たりに乾瓢かんぴょうをほす女などに
木々の精、谷の精 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
私達は忽々そうそうにそこから引き上げた。
晩夏 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
庄太は忽々そうそうに出て行った。その日はほかによんどころない義理があって、半七は午頃から日本橋辺へ出かけたが、例の一件が気になるので、その帰り道に青山へ足を向けた。
半七捕物帳:60 青山の仇討 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)