よひ)” の例文
旧字:
あまつさよひじようじて、三人さんにんおの/\、うち三婦人さんふじんざうゆびさし、勝手かつて撰取よりどりに、おのれにはいして、むねで、うでし、みゝく。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と松さんは大げさにいつて、よひあからんだ顔を向けてそちらを見た。そして「豊助とよすけ。栄坊ちやんの大事な鹿にわるさするぢやないぞォ。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
『僕もよひめかゝつて寒くなつて来た。しづちやんさへさしつかへ無けれアかどの西洋料理へ上がつてゆつくり話しませう。』
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
よひと云ふ牆壁を築いて、其掩護に乗じて、自己を大胆にするのは、卑怯で、残酷で、相手に汚辱を与へる様な気がしてならなかつたからである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
暫くすると、仲間は各自てんでに酔ひどれをくはへて巣のなかへ引張り込み、丁寧に寝かしてやつた。よひめると、くだんの蟻はこそ/\這ひ出して直ぐいつもの仕事にかゝつたさうだ。
外でひやゝかな空気に触れるとよひが足りない。もすこし飲んで出ればかつたと思つた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
で三四杯あほり立てたのでよひ一時いつときに発してがぐらぐらして来た。此時このとき
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)