よっ)” の例文
旧字:
おその上に、この賤しむべき男が酒によって酔狂でもすれば自からいましめると云うこともあろうが、大酒の癖に酒の上が決して悪くない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
よっぱらっている侍が初め刀にを附けたが、高くて買われないでところへ、此方こちらの若い侍が又その刀に価を附けた処から酔漢よっぱらいおこり出し
そう言わないで何卒どうかもすこし此処ここて下さいな、もすこし……。ああ! 如何どうしてう僕は無理ばかり言うのでしょう! よったのでしょうか。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
あるいはお豆腐と松茸とをお汁にしたり、初茸とお豆腐とのお汁が出来たりするのもそのわけで、人によると松茸によって大層逆上のぼせる人があります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
礁へ石鑿いしのみを打ちこむと、血が出たとか、前日まえのひに欠いであった処が、翌日あくるひ往くと、元の通りになっておったとか、何人たれかが夜遅くよっぱらって、此の上を歩いておると、話声がするから
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
よっぱらひさん、さあ、冷水おひや
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
るときそのものが何処どこに何をしたか夜中やちゅう酒によって生意気なふうをしてかえって来たゆえ、貴様は今夜寝ることはならぬ、起きてチャント正座して居ろと申渡もうしわたしておい
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
うも貴方の様に人柄の優しい人と喧嘩をするとは馬鹿な野郎で、大方くれよって居たのでございましょう、子供の時分から喧嘩早けんかッぱようございまして、番毎ばんごと人にきずを付け
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
嫌疑を憚らず左様そういうけで私は若い時から婦人に対して仮初かりそめにも無礼はしない。仮令たとい酒によってもつつしむ所はきっと謹しみ、女のいやがるような禁句を口外したことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
幾らよっぱらったって親の腹へ乗る者アえぞ呆れた、酒は飲むなよくねえ酒癖だからせというに聴かねえで酔ぱらってはけえってやアがって、たった今逐出おいだすから出ろえ、おっかねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
久藏ねぶったかえ……あれまア締りのねえ戸だ、叩いてるより開けてへいる方がい、よっぱれえになって仰向あおむけにぶっくりけえってそべっていやアがる、おゝ/\顔にあぶ附着くッついて居るのに痛くねえか
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)