“ゑ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
20.1%
14.3%
13.0%
7.5%
7.5%
7.1%
6.5%
5.8%
4.5%
1.9%
1.6%
1.0%
1.0%
0.6%
0.6%
微笑0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最前見たる色若衆いろわかしゆおぼしく半面をあらはして秘かに打ちみつ。手真似にて斬れ/\。その鉄砲は無効々々だめだめと手を振る体なり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
翌日の朝の辰刻いつゝ(八時)少し前、薄赤い陽が射し込んで、明神樣の森からをあさりに來る、小鳥の聲などが賑やかに聽えて居ります。
それは或雑誌のだつた。が、一羽の雄鶏の墨画すみゑは著しい個性を示してゐた。彼は或友だちにこの画家のことを尋ねたりした。
或阿呆の一生 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
春着はるぎで、元日ぐわんじつあたり、たいしてひもしないのだけれど、つきとあしもとだけは、ふら/\と四五人しごにんそろつて、神樂坂かぐらざかとほりをはしやいで歩行あるく。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わるへば傲慢がうまんな、下手へたいた、奧州あうしうめぐりの水戸みと黄門くわうもんつた、はなたかい、ひげしろい、や七十ばかりの老人らうじんでした。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ならひが出來できたれば此次このつぎにはふみきてせ給へと勿体もつたいない奉書ほうしよう半切はんきれを手遊おもちやくだされたことわすれはなさるまい
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つきゆきはなおろいぬんだとては一句いつくつくねこさかなぬすんだとては一杯いつぱいなにかにつけて途方とはうもなくうれしがる事おかめが甘酒あまざけふとおなじ。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
其代りふでちつとも滞つてゐない。殆んど一気呵成かせい仕上しあげた趣がある。したに鉛筆の輪廓があきらかにいて見えるのでも、洒落なぐわ風がわかる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
法諡はふしして徳源院譲誉礼仕政義居士と云ふ。墓は新光明寺にあつて、「明治三十五年七月建伊沢家施主八幡祐観やはたいうくわん」とつてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
僕にはだ翁の近年の作の妙味が十分得せられないが飽迄あくまで若若わかわかしいこの翁の心境は例の真夏の花を嗅ぐ様な豊艶多肉な女をむ色もなく描いて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
そこで其の定窯の鼎の台座には、友人だつた李西涯が篆書てんしよで銘を書いて、りつけた。李西涯の銘だけでも、今日は勿論の事、当時でも珍重したものであつたらう。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「こいつは驚いた、り好みをしやがる。」とヘンリイ・リンは叫んだ。
其の後一五〇御廟みべう一五一玉もてり、一五二丹青たんせいゑどりなして、稜威みいづあがめたてまつる。かの国にかよふ人は、必ずぬさをささげて一五三いはひまつるべき御神なりけらし。
正太しようた何故なにともきがたく、はたのうちにあるやうにておまへうしてもへんてこだよ、其樣そんことはづいに、可怪をかしいひとだね、とれはいさゝか口惜くちをしきおもひに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
微笑める光に塵の世を
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)
捧げたる願文ぐわんもんにこそ。光り匂ふのりのため
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
戰へば われはや三五
ひとかほいまのとはちがふね、あゝ此母このかゝさんがきてるといが、れが三つのとしんで、おとつさんはるけれど田舍いなか實家じつかかへつて仕舞しまつたからいま祖母おばあさんばかりさ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふるくよりもちつたへし錦繪にしきゑかず/\取出とりいだし、めらるゝをうれしく美登利みどりさんむかしの羽子板はごいたせよう、これはれのかゝさんがおやしき奉公ほうこうしてころいたゞいたのだとさ、をかしいではいかこのおほきいこと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『あなゆるされぬを、』と私語つぶやきひく
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
』の、はた
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
くるめくにがきづく思
宿酔 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
嗚呼劫火烱然として一たび輝けば、大千あしたす、天地又何の常か之れあらん、想ふに彼の功業を竹帛に留めて盛名の※りなきを望むものは、其の痴之れに等しきを得んや。
人生終に奈何 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
折しも、妹の長い手紙の文句がそれからそれへと思ひ返されてはらわたぐられるやうな物狂はしさを感じた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
十一ぐわつの二十八にち旦那だんなさまお誕生日たんぜうびなりければ、年毎としごと友達ともだち方々かた/″\まねまいらせて、周旋しうせんはそんじよしやうつくしきをりぬき、珍味ちんみ佳肴かこううちとけの大愉快おほゆくわいつくさせたまへば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
磨製石斧はにて直ににぎられし事も有るべけれど斧の如くに柄を添へてもちゐられし事も在りしと見ゆ。武藏國大里郡むさしのくにおほさとごほり冑山村の土中よりはきし儘なる磨製石斧でし事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
左右のたなごゝろにてたる尊き勝利のしるしとして彼を天の一におくは、げにふさはしき事なりき 一二一—一二三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しばしやどかせ春のゆくと舞ひくるもみゆ、かすむ夕べの朧月おぼろづきよに人顔ほのぼのと暗く成りて、風少しそふ寺内の花をば去歳こぞ一昨年おととしもそのまへの年も、桂次此処に大方おほかたは宿を定めて
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しばしやどかせはるのゆくひくるもみゆ、かすむゆふべの朧月おぼろづきよに人顏ひとがほほの/″\とくらりて、かぜすこしそふ寺内じないはなをば去歳こぞ一昨年おとゝしそのまへのとしも、桂次けいじ此處こゝ大方おほかた宿やどさだめて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わびがしたれけれど障子しようじ時機しほがなく、おたみ最初さいしよんでれしときすこしひねくれてより拍子ひようしぬけがして今更いまさらにはしもされず、そのうちにおかへりにならばなんとせん
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼は先にひし事の胸にられたらんやうに忘るるあたはざるさへあるに、なかなか朽ちも果てざりし恋の更に萠出もえいでて、募りに募らんとする心のみだれは、ふるにかた痛苦くるしみもたらして、一歩は一歩より
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「にあり」「てあり」「といふ」が、「なり」「たり」「とふ」となるのも同様の現象である。「ふ」「われはやぬ」など連語においても、これと同種の現象がある。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)