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錦繪
唇に
當てたのが、
錦繪に
描いた
野がけの
美人にそつくりで、
微醉のそれ
者が、くろもじを
噛んだより
婀娜ツぽい。
いつか
話した
錦繪を
見せるからお
寄りな、
種々のがあるからと
袖を
捉らへて
離れぬに、
美登利は
無言にうなづいて、
佗びた
折戸の
庭口より
入れば、
廣からねども、
鉢ものをかしく
並びて
後で、
常さんと
語合ふと……
二人の
見たのは、しかも
其が、
錦繪を
板に
合はせたやうに
同一かつたのである。