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錦繪
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にしきゑ
唇に
當てたのが、
錦繪に
描いた
野がけの
美人にそつくりで、
微醉のそれ
者が、くろもじを
噛んだより
婀娜ツぽい。
いつか
話した
錦繪を
見せるからお
寄りな、
種々のがあるからと
袖を
捉らへて
離れぬに、
美登利は
無言にうなづいて、
佗びた
折戸の
庭口より
入れば、
廣からねども、
鉢ものをかしく
並びて
後で、
常さんと
語合ふと……
二人の
見たのは、しかも
其が、
錦繪を
板に
合はせたやうに
同一かつたのである。
古くより
持つたへし
錦繪かず/\
取出し、
褒めらるゝを
嬉しく
美登利さん
昔しの
羽子板を
見せよう、これは
己れの
母さんがお
邸に
奉公して
居る
頃いたゞいたのだとさ、をかしいでは
無いか
此大きい
事