錦繪にしきゑ)” の例文
新字:錦絵
くちびるてたのが、錦繪にしきゑいたがけの美人びじんにそつくりで、微醉ほろゑひのそれしやが、くろもじをんだより婀娜あだツぽい。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いつかはなした錦繪にしきゑせるからおりな、種々いろ/\のがあるからとそでらへてはなれぬに、美登利みどり無言むごんにうなづいて、びた折戸をりど庭口にはぐちよりれば、ひろからねども、はちものをかしくならびて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あとで、つねさんと語合かたりあふと……二人ふたりたのは、しかもそれが、錦繪にしきゑはんはせたやうに同一おなじかつたのである。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふるくよりもちつたへし錦繪にしきゑかず/\取出とりいだし、めらるゝをうれしく美登利みどりさんむかしの羽子板はごいたせよう、これはれのかゝさんがおやしき奉公ほうこうしてころいたゞいたのだとさ、をかしいではいかこのおほきいこと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)