)” の例文
旧字:
をかく人々、字をかく人々に告ぐ。お金を払つて買つて下さるは、まことに難有ありがたいお方なり。しかしながら大抵は、わからぬ奴なり。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
それは或雑誌のだつた。が、一羽の雄鶏の墨画すみゑは著しい個性を示してゐた。彼は或友だちにこの画家のことを尋ねたりした。
或阿呆の一生 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
紅梅こうばいが美くしかつた。帰りに画室にお寄りしていろいろのを見せて貰つた。こんな部屋がしいなどゝ珈琲こーひを飲みながら思つて居た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
かきは顔をしかめて、しよんぼり立つてこの喧嘩けんくわをきいてゐましたがこのとき、にはかに林の木の間から、東の方を指さして叫びました。
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
この蕭白の言草いひぐさに従つたら、今の京都画家に、ほんとのかきが幾人いくたりあるかわからなくなるが、兎に角京都には絵をかく人がたんとゐる。
武内たけのうちつたのは、新著百種しんちよひやくしゆ挿絵さしゑたのみに行つたのがゑんで、ひど懇意こんいつてしまつたが、其始そのはじめより人物にれたので
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と云へば、此間大学の運動会へ行つて、里見と野々宮さんの妹のカリカチユアーをいてらうと思つたら、とうとう逃げられて仕舞つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
近日、友人徳永柳洲りうしう君はを、予等夫妻は詩歌しいかもつて滞欧中の所感を写した「欧羅巴ヨウロツパ」一冊を合作がつさくしようと計画して居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
日本の風景、日本の風俗、広重の錦を見、ピエル・ロチの『お菊さん』を見る心持ちを以つてのみ、日本映画に愛着を感じてゐるのでなからうか?
日本趣味映画 (新字旧仮名) / 溝口健二(著)
「お安さんからあなたさまによろしくと書いてございます。」と言ひつゝ、おくみは青木さんに裏の写真を見せた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
が、どつちかとへば、愛嬌あいけうもある、く、趣味しゆみわたし莫迦ばかにするほどでもない。これ長所とりゑ面白味おもしろみもないが、気質きしつ如何いかにもまる出来できてゐる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
いたつてわがままな王様は、まだおきさきがありませんでしたから、このの女を、是非探し出して連れて参れと、一同の兵士に厳重に命令いたしました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
橋をわたらずときゝて心おちつき、岩にこしかけて墨斗やたてとりいだし橋をうつしなどして四辺あたりを見わたせば、行雁かうがんみねこえて雲にをならべ、走猿そうゑんこずゑをつたひて水にうつす。
つまにかきとらむいつまもが旅行たびゆあれは見つつしぬばむ 〔巻二十・四三二七〕 防人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その四番目の眼鏡をのぞきますと、これは前の三つとは、まるきり変つたでした。
のぞき眼鏡 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
つつましきミレエがに似る夕あかり種蒔人たねまきそろうて身をかがめたり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
忽ちには成りぬ。
わが画 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
古尾谷こをたにさんが私の出たあとへ来て下すつたさうである。某々二氏の土産みやげのお菓子を桃が見せた。ひかる今日けふいて来たのは男雛をとこひなであつた。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ある画家ゑかきの使つてゐるあかの色が、心憎いまで立派なので、仲間は吸ひつけられたやうにそのの前に立つた。そして不思議さうに訊いた。
時雨しぐれの庭をふさいだ障子。時雨の寒さを避ける火鉢。わたしは紫檀したんの机の前に、一本八銭の葉巻をくはへながら、一游亭いちいうていの鶏のを眺めている。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
どうも普通の日本の女の顔は歌麿式や何かばかりで、西洋の画布カンヷスにはうつりわるくつて不可いけないが、あの女や野々宮さんはい。両方共になる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「それぢやあモデルには僕もかきだと云つて置いてれ給へ。」と云つて僕は内へはひつた。小林は裸をながら話した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
かきはもうどこへ行つたか赤いしやつぽだけがはふり出してあつて、自分はかげもかたちもありませんでした。
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
それは大そう勇ましい姿でしたが、もと/\にかいたものですから馬は前足を高くをどらせたまゝ、少しも動きませんでした。第二番目の眼鏡には、土人の虎狩とらがりがうつりました。
のぞき眼鏡 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
も少しはるとつたやうな多芸たげい才子さいしで、学課がくくわ中以上ちういじやう成績せいせきであつたのは、校中かうちう評判ひやうばんの少年でした、わたしは十四五の時分じぶんはなか/\のあばれ者で、課業くわげふの時間をげては運動場うんどうばへ出て
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今日けふのやうな天候てんこうは、べつしてもあたま差響さしひゞく。わたしくのも可厭いやひとられるのも、ひと訪問はうもんするのも臆劫おつくうつたかたちで——それならてゞもゐるかとおもふと、矢張やつぱりきて、つくゑすわつてゐる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
しかしながらにはそらごともまじへざればそのさまあしきもあるべけれど、あまりにたがひたれば玉山の玉にきずあらんもをしければ、かねて書通しよつうまじはりにまかせて牧之がつたなき筆にて雪の真景しんけい種々かず/\うつ
盛る土に足あとつけて子も蒔くとの種ぶくろ日にかがやきぬ
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
やがては炉のうち
わが画 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
曼舟氏は実際えらい、も上手にくのみならず、他の人が二本の脚でする旅行をも、氏は平気で一本脚でするからである。
どうして今の世にあゝが抜けてゐられるだらうと思ふと、それ丈で大変な薬になる。いくら僕が呑気でも、つゞみおとの様なはとてもけないから
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
東京から巴里パリイへ来るかきが皆同じ老大家の所ばかりあつまるのも気がかないと思つて少し変つた人の所へ出掛ける迄だ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
雲林うんりんを見たのは唯一つである。その一つは宣統帝せんとうてい御物ぎよぶつ今古奇観きんこきくわんと云ふ画帖ぐわでふの中にあつた。画帖の中のは大部分、薫其昌とうきしやうの旧蔵にかかるものらしい。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「第三とうしやう、水銀メタル。おい、みんな、大きいやつも出るんだよ。どうしてそんなにぐずぐずしてるんだ。」かきが少し意地わるい顔つきをしました。
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
秋のかぜ今わかかりしだくみの百日ももかかへらぬ京を吹くらむ(西の京なる岡直道の君の追悼に)
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
太郎さんは、それがのぞき眼鏡のであることを忘れてしまひました。
のぞき眼鏡 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
暖国の雪一尺以下ならば山川村里さんせんそんり立地たちどころ銀世界ぎんせかいをなし、雪の飄々へう/\翩々へん/\たるをて花にたとへ玉にくらべ、勝望美景しようばうびけいあいし、酒食しゆしよく音律おんりつたのしみへ、うつことばにつらねて称翫しようくわんするは和漢わかん古今の通例つうれいなれども
よくしきあてに墨磨りからやうのをたしなみとしよを楽しみと
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
翁はの方で色々自慢話をつてゐるが、そのうちで一番鼻が高いのは、相国しやうこく寺の独山和尚を弟子に持つてゐるといふ事で、相手が相手だけに
諸先生の俳画に対して、皆多少は驚いたのである。かう云ふと、諸先生の軽蔑けいべつするやうに聞えるかも知れないが、決してさう云ふつもりぢやない。
俳画展覧会を観て (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
代助は先刻さつきから、ピヤノのおとを聞いて、あによめめいの白い手のうごく様子を見て、さうして時々とき/″\は例の欄間らんまながめて、三千代みちよの事も、かねりる事も殆んど忘れてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
盛り土に足あとつけて子も蒔くとの種ぶくろ日にかがやきぬ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いゝやぼくのはぢゃないよ
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
実際画家ゑかきのなかには、その人に会つたが為めに、折角いて貰つた錦鶏鳥きんけいてうまでが厭になるやうな人も少くなかつた。
僕は日頃大雅たいがを欲しいと思つてゐる。しかしそれは大雅でさへあれば、金を惜まないと云ふのではない。まあせいぜい五十円位の大雅を一ぷく得たいのである。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
教科書のだ煙草ばたけのあちこちの低い藁家の日の丸の旗
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こんもり繁つた雑木林のなかから、田舎家の白壁が見えて、夕日が明るくそれにあたつてゐて、いかにも気持のだ。
本文ほんもんにはさんだ、三葉さんえふ銅版画どうばんぐわの中には、「英国俳優ヂオフライ空窖くうかう幽囚いうしうせられたる図」と云ふのがある。そのが又どう見ても、つちらう景清かげきよと云ふ気がする。
本の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
春の山しづもる見ればおほどかににほひこもらひ墨のの山
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
信常氏はその時憲政会のある代議士と一緒だつたが、二人は照子のお世辞にい気になつて、いつぱし画家ゑかきや詩人の積りでいたり賛をしたりした。