“画筆”のいろいろな読み方と例文
旧字:畫筆
読み方割合
えふで54.5%
がひつ18.2%
ブラッシ9.1%
ブラツシ9.1%
ゑふで9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ようやく登り詰めて、余の双眼そうがんが今危巌きがんいただきに達したるとき、余はへびにらまれたひきのごとく、はたりと画筆えふでを取り落した。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二歩、三歩、五歩、——十歩目に保吉は発見した。あれはポオル・ゴオギャンである。あるいはゴオギャンの転生てんしょうである。今にきっとシャヴルの代りに画筆がひつを握るのに相違ない。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ふとった画工の画筆ブラッシだけが動く。それも目に動くだけで、耳には静かである。肥った画工も動くことがある。しかし足音はしない。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
美禰子のかげが次第に出来あがりつゝある。ふとつた画工の画筆ブラツシだけが動く。それうごく丈で、みゝには静かである。ふとつた画工もうごく事がある。然し足音あしおとはしない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
よし子は画筆ゑふでの手をやすめて、両手をばして、くびをあとへ引いて、ワツトマンを成るべく遠くから眺めてゐたが、仕舞に、小さな声で
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)