“ブラツシ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刷毛66.7%
画筆33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
帰りには、函樽かんそん鉄道開通三日目と云ふに函館まで二等車に乗りて、列車ボーイの慇懃いんぎんなる手に取られ、刷毛ブラツシに塵を払はれたる事もあり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
刷毛ブラツシおとんでも中々なか/\でふからないので、またつてると、薄暗うすぐら部屋へやなかで、御米およねはたつた一人ひとりさむさうに、鏡臺きやうだいまへすわつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけはぼんやりして、烟草たばこかしはじめたが、むかふの部屋へやで、刷毛ブラツシけるおとがししたとき
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
美禰子のかげが次第に出来あがりつゝある。ふとつた画工の画筆ブラツシだけが動く。それうごく丈で、みゝには静かである。ふとつた画工もうごく事がある。然し足音あしおとはしない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もうすこしで双方がぴたりと出合であつてひとつにおさまると云ふ所で、ときながれが急にむきを換へて永久のなかそゝいで仕舞ふ。原口さんの画筆ブラツシそれより先には進めない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「もう一時間ばかり」と美禰子もちいさな声で答へた。三四郎は又丸卓まるテーブルに帰つた。女はもうゑがかるべき姿勢を取つた。原口さんは又烟管パイプけた。画筆ブラツシは又動きす。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)