トップ
>
彫
>
ゑ
ふりがな文庫
“
彫
(
ゑ
)” の例文
自分すら忘れきつた彼の人の出来あがらない心に、骨に沁み、干からびた髄の
心
(
しん
)
までも、唯
彫
(
ゑ
)
りつけられるやうになつて残つてゐる。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
法諡
(
はふし
)
して徳源院譲誉礼仕政義居士と云ふ。墓は新光明寺にあつて、「明治三十五年七月建伊沢家施主
八幡祐観
(
やはたいうくわん
)
」と
彫
(
ゑ
)
つてある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ダンテが敍事の生けるが如きために、其
状
(
さま
)
深くも我心に
彫
(
ゑ
)
りつけられたるにや、晝は我念頭に上り、夜は我夢中に入りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
葷酒不許入山門と石に
彫
(
ゑ
)
らし寺の住持は銭好むらし(氷谷博士の墓地、約束後また値上げされし由を聞きて)
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
かゝる時、はからず目に入つた光景は深く脳底に
彫
(
ゑ
)
り込まれて多年これを忘れないものである。余が今しも車窓より眺むる処の雲の
去来
(
ゆきゝ
)
や、
樺
(
かば
)
の林や
恰度
(
ちやうど
)
それであつた。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
その光被するところ、
総
(
す
)
べてを化石となす、
試
(
こゝろみ
)
に我が手を
挙
(
あ
)
ぐるに、
晶
(
あきらけ
)
きこと寒水石を
彫
(
ゑ
)
り成したる如し、我が立てる劒ヶ峰より一歩の下、
窈然
(
えうぜん
)
として内院の
大窖
(
たいかう
)
あり、むかし火を
噴
(
ふ
)
きたるところ
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
「
日
(
ひ
)
」の歌は象牙にけづり、「
夜
(
よる
)
」の歌は黒檀に
彫
(
ゑ
)
り
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
藝
(
げい
)
の日照らす
宮居
(
みやゐ
)
を
彫
(
ゑ
)
りちりばめ
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
侘禅師
(
わびぜんじ
)
から鮭に白頭の吟を
彫
(
ゑ
)
る
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
龍頭
(
りゆうづ
)
を
彫
(
ゑ
)
りたる
劍
(
つるぎ
)
太刀
(
だち
)
の
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
壽阿彌は西村氏の菩提所昌林院に葬られたが、親戚が其名を生家の江間氏の菩提所に
留
(
とゞ
)
めむがために、此墓に
彫
(
ゑ
)
り添へさせたものであらう。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
戸より入りて見れば、新に大理石もて
彫
(
ゑ
)
り成せる大いなる馬二頭地上に据ゑられ、
青艸
(
あをくさ
)
はほしいまゝに長じて
趺石
(
ふせき
)
を掩はんと欲す。
四邊
(
あたり
)
には既に刻める柱頭あり、
粗
(
あら
)
ごなししたる石塊あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
日
(
ひ
)
」の歌は象牙にけづり、「
夜
(
よる
)
」の歌は黒檀に
彫
(
ゑ
)
り
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
少女
(
をとめ
)
を
彫
(
ゑ
)
りてうかび出づ。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
瞳子
(
ひとみ
)
彫
(
ゑ
)
られぬ唐獅子は
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
正宗院は幾勢が
薙染後
(
ちせんご
)
の名である。
因
(
ちなみ
)
に云ふ。幾勢の墓には俗名
世代
(
せよ
)
と
彫
(
ゑ
)
つてある。世代は恐くは黒田家の奥に仕へた時の呼名であつただらう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
版には
土地
(
ところ
)
の習にて、梟せられたるものゝ氏名と其罪科とを
彫
(
ゑ
)
りたり。果せるかな、中央に老女フルヰア、フラスカアチの産と記せり。われはいたく感動して、覺えず歩み
退
(
しりぞ
)
くこと二三歩なりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
つくづく見入る
眼差
(
まなざし
)
は、
匠
(
たくみ
)
が
彫
(
ゑ
)
りし像の眼か
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
浅草新光明寺に「先祖代々之墓、伊沢
主水源政武
(
もんどみなもとのまさたけ
)
」と
彫
(
ゑ
)
つた墓石がある。此主水の建てたものではなからうか。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
つくづく見入る
眼差
(
まなざし
)
は、
匠
(
たくみ
)
が
彫
(
ゑ
)
りし像の眼か
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
光照院の墓地の東南隅に、殆ど正方形を成した
扁石
(
ひらいし
)
の墓があつて、それに十四人の戒名が一列に
彫
(
ゑ
)
り付けてある。其中三人だけは後に追加したものである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
黒檀の
槌
(
つち
)
をもて
天空
(
てんくう
)
を
彫
(
ゑ
)
りきざむ時
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
臺石には金澤屋と
彫
(
ゑ
)
り、墓には正面から向つて左の面に及んで、
許多
(
あまた
)
の戒名が列記してある。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
これのみは余りに深く我心に
彫
(
ゑ
)
りつけられたればさはあらじと思へど、今宵はあたりに人も無し、
房奴
(
ばうど
)
の来て電気線の鍵を
捩
(
ひね
)
るには猶程もあるべければ、いで、その概略を文に綴りて見む。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彫
常用漢字
中学
部首:⼺
11画
“彫”を含む語句
彫刻
牙彫
木彫
浮彫
彫刻物
象牙彫
透彫
彫塑
彫刻師
鋳型彫
彫物
彫琢
彫像
高彫
彫付
筋彫
朱彫
彫心鏤骨
欄間彫
彫刻家
...