“窈然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようぜん75.0%
えうぜん25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一が去り、二がきたり、二が消えて三が生まるるがためにうれしいのではない。初から窈然ようぜんとして同所どうしょ把住はじゅうするおもむきで嬉しいのである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この時館の中に「黒し、黒し」と叫ぶ声が石堞せきちょうひびきかえして、窈然ようぜんと遠く鳴る木枯こがらしの如く伝わる。やがて河に臨む水門を、天にひびけと、びたる鉄鎖にきしらせて開く音がする。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その光被するところ、べてを化石となす、こゝろみに我が手をぐるに、あきらけきこと寒水石をり成したる如し、我が立てる劒ヶ峰より一歩の下、窈然えうぜんとして内院の大窖たいかうあり、むかし火をきたるところ
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)