)” の例文
嘉永かえいそれの年にられたる本所絵図ほんじよゑずをひらきたまはば、土屋佐渡守つちやさどのかみの屋敷の前に小さく「芥川あくたがは」と記せるのを見たまふらむ。この「芥川」ぞわがなりける。
臘梅 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そこで其の定窯の鼎の台座には、友人だつた李西涯が篆書てんしよで銘を書いて、りつけた。李西涯の銘だけでも、今日は勿論の事、当時でも珍重したものであつたらう。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
もしたましひ拔出ぬけいでたらんか、これ一顆いつくわ碧眞珠へきしんじゆに、露草つゆくされるなるべし。ひともしあだあらば、みなやいばつてかたきたん。靈山れいざん汽車きしやせまれり。——山北やまきた——山北やまきた——
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
されど今の御疑ひ一〇二僻言ひがごとならぬは、大師は神通自在じんつうじざいにして一〇三隠神かくれがみえきして道なきをひらき、いはほるには土を穿うがつよりもやすく、大蛇をろち一〇四いましめ、化鳥けてう一〇五奉仕まつろへしめ給ふ事
臺座だいざをたたむ石を
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
御冠みかむり黄金こがねりて
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)