“いぶき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
息吹41.1%
伊吹27.4%
気息5.5%
胆吹5.5%
呼吸4.1%
気吹2.7%
氣吹2.7%
伊服岐1.4%
吹嘘1.4%
吹息1.4%
(他:5)6.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういう息吹いぶきが炎のようにもつれあって、静かに虚空こくうへ立ちのぼる相をそのままに結晶せしめたのが塔なのであろうか。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
それ以来この家には住む人もなく、すべて生命の息吹いぶきを伝える人のなくなった住居に見られるとおり、しだいに荒廃に帰してしまった。
そこに立てば、余吾よご琵琶びわはいうに及ばず、湖に沿うて南へ一すじの北国街道も、伊吹いぶきの裾まで一望される。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鈴鹿すずかかすかに、伊吹いぶきは未だに吹きあげる風雲のいのしし色にそのいただきを吹き乱されている。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
そしてできるだけ私の暖かな気息いぶきを吹きかけてじんわりと君の胸のあたりを包んであげたい。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
が、やがて竹のつつを台にした古風なランプに火がともると、人間らしい気息いぶきの通う世界は、たちまちそのかすかな光に照される私の周囲だけに縮まってしまった。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
胆吹いぶき上平館かみひらやかたの新館の庭の木立で、二人の浪人者が、木蔭に立迷いながら、語音は極めて平常に会話を交わしている——
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こうして米友は、美濃、尾張から伊勢路へつづく平野の中を、南宮山をまともに見、養老、胆吹いぶきの山つづきを左右に見て、垂井の駅へ入りました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
廃頽詩人ヴェルレイヌ、おんみだけだ! 知っている者は! 秋の呼吸いぶきを、落葉の心を、ひとり死に残った蛾の魂を。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
はじめて街路樹に篠懸すずかけ(プラタナス)が採り上げられたころ。宛かも新潮社版の翻訳小説に接したときのやう、そこに私たちは近代都市の「呼吸いぶき」を感じた。
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
そこへ行くと、気吹いぶき舎大人やのうしは狭い人かもしれないが、しかしその迫りに迫って行った追求心が彼らの時代の人の心に近い。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しず岩屋いわや』、『西籍概論さいせきがいろん』の筆記録から、三百部を限りとして絶版になった『毀誉きよ相半ばする書』のような気吹いぶきの深い消息までも、不便な山の中で手に入れているほどの熱心さだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
みにみて、吹き棄つる氣吹いぶき狹霧さぎりに成りませる神の御名一二は、多紀理毘賣たぎりびめの命
かくいへるとき、焔の舞は、三の氣吹いぶきおとのまじれるうるはしき歌とともにしづまり 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かれここに御合ひしたまひて、その御刀みはかしの草薙のたちを、その美夜受みやず比賣のもとに置きて、伊服岐いぶきの山三一の神を取りに幸でましき。
かくる吹嘘いぶきに枝ゆれてましろき花は咲き匂ふ、 55
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
吹嘘いぶき激しきゼプュロスの館に二靈は其時に、 200
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
吹息いぶきする夜は神祕の氣、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
一首の意は、今、大野山を見ると霧が立っている、これは妻を歎く自分の長大息の、風の如く強く長い息のために、さ霧となって立っているのだろう、というので、神代紀に、「吹きうつる気噴いぶきのさ霧に」、万葉に
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
憂悒の義の「いぶせし」は氣噴いぶきせましの意にして、憂ふる者の氣噴いぶきは暢達寛大なる能はざるの實に副うて居る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
氣息の古邦語は「い」で、「いぶき」は氣噴いぶきであり、病癒ゆの「いゆ」は氣延いきはゆの約、休憩の「いこふ」は氣生いきはふである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
颶風の氣息いぶきわれを驅り山上或は大海の
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
自然の生息いぶきそのままの姿態でそれがひとしお都会では幽婉ゆうえんに見えるのだったが
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)