呼吸いぶき)” の例文
廃頽詩人ヴェルレイヌ、おんみだけだ! 知っている者は! 秋の呼吸いぶきを、落葉の心を、ひとり死に残った蛾の魂を。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
はじめて街路樹に篠懸すずかけ(プラタナス)が採り上げられたころ。宛かも新潮社版の翻訳小説に接したときのやう、そこに私たちは近代都市の「呼吸いぶき」を感じた。
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
スペインの熱砂と、情熱の呼吸いぶきが、この演奏から身近く感じられるような気がする。
春の呼吸いぶきのゆくところ
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)