罪科とが)” の例文
乃公が死にそうな目に遇ったのは畢竟つまり宿屋の罪科とがだ。それをお父さんが、此は珍らしい魚だ、此辺でなければれない名物だと言ったのも可なり悪い。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「いいや、そんなことは、どうでもよい。ともあれおぬしがいだいた大逆の罪科とがは、法は勿論、神仏もゆるし給わぬところだ。助かろうなどとは考えるなよ」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されど童子は助けてたべ、いかでか無辜の幼な児に、さる非道なる最期をば、遂げしめるべき罪科とがあらん。
罪科とがと、爵ある老いし人と、けがれの枕とへ
きょうの罪はゆるしがたいものに違いないが、わしに免じて——いやわしにその罪科とがをしばし預けてくれい。後日、かならずこの罪を償うほどの大功を挙げさせるから。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何人だれも頼みもしないのに此んな危い機械なんか発明したもんだから、忠公は三日も床の中で苦しがった。それをあたかも乃公の罪科とがのように言うのはいささかお門違いである。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「いや、あの冠者のようにはなるまい、なぜならば、この子は、おしじゃ。——ものいえば罪科とがになる唖の世に、唖と生れてくれたのは、これも、われら夫婦が信心のおかげであろう」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(一体、何の罪科とがで? ——)
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何の罪科とがもあるまいに
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)