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楇
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つみ
ふりがな文庫
“
楇
(
つみ
)” の例文
或る時は、餘りに憎らしくなつて、自分を見るあの主婦の眼を、突き刺してやらうかと思つて、文吾は母の使ひ古した
楇
(
つみ
)
を一本持ち出したことさへある。
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
じんき(白い綿を
胡瓜
(
きうり
)
の小ひさなのぐらゐにしたもの)は長く母の左手で絲になつて伸びると、右の手で𢌞してゐた車が、チヨンと
把手
(
とつて
)
を鳴らす音とともに、
楇
(
つみ
)
に卷き着く絲の玉は
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
懷中
(
ふところ
)
から
楇
(
つみ
)
を取り出して、
路傍
(
みちばた
)
の缺け瓦に
尖端
(
さき
)
の錆を磨りおとした文吾は、白く光る針のやうな鋭さに見入りながら、これで煑賣屋の婆の眼をば、飛び込んでたゞ一突きと、氣が狂うたやうに
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
楇
13画