つみ)” の例文
爲す者其方の外には決して有可からず能せよかしと内命ないめいありしに忠相ぬしも推辭いなむすべなく遂に天一をして僞者にせものとし二葉ふたばの中につみたるなりとの事實に然るかいなや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのかははゞもつとひろく、まちもつとちかく、やゝせまところがう屋敷田畝やしきたんぼとなへて、雲雀ひばり巣獵すあさり野草のぐさつみめうなり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私達が友達同士でざるを持つて「野のひろ」つみ芹摘せりつみに來られるやうになつた頃は、シラチブチは眞ん中だけ殘してかわいてゐた。どんな土用の最中さなかにも淺いけれど水は有つた。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
つみあらそひしむかしはなんりし野河のがはきしきくはな手折たをるとてなが一筋ひとすじかちわたりしたまときわれはるかに歳下とししたのコマシヤクレにもきみさまのたもとぬれるとて袖襻そでだすきかけてまゐらせしを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蒼白あおじろき月の涙をつみ取りて