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怖気
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おぞけ
ふりがな文庫
“
怖気
(
おぞけ
)” の例文
旧字:
怖氣
自家
(
うち
)
まで
尾
(
つ
)
いて来られては、父母や女房の手前もある。ましてこの為体のしれない
物騒
(
ぶっそう
)
な
面魂
(
つらだましい
)
、伝二郎は
怖気
(
おぞけ
)
を振ったのだった。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼のこんな様子が、思慮分別などはさらりと棄ててただもうたわいもない歓楽に酔ひ痴れた人達の胸に
怖気
(
おぞけ
)
を与へたことは云ふまでもない。
吸血鬼
(新字旧仮名)
/
ジョン・ウィリアム・ポリドリ
(著)
この頃年齢五十五歳、幕府の老中若年寄などさえ、彼の名を聞くと
怖気
(
おぞけ
)
を揮い、「恐ろしい人物! 恐ろしい人物!」こう云って憚かったほどである。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
もちろん古島さんはすつかり
怖気
(
おぞけ
)
をふるつてしまつて、姉さまの紫色のモンペ姿がちらりと見えようものなら、血相かへて自分の部屋へ逃げこんでしまふのでした。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
生物以外に形の悪いもの、
性
(
しょう
)
の知れないものは食べられませんでした。シャコ、エビ、タコ等は虫か魚か分らないような不気味なものだといって、
怖気
(
おぞけ
)
をふるっておられました。
泉鏡花先生のこと
(新字新仮名)
/
小村雪岱
(著)
▼ もっと見る
とはいえ、これはなんら
謂
(
いわ
)
れのあるところではなかった。なぜなら、この事務局の全機構を形成している十人ばかりの官吏は、それでなくてさえいい加減
怖気
(
おぞけ
)
をふるっていたからである。
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
そうかといって、お雪は
怖気
(
おぞけ
)
をふるって浅吉を毛嫌いするわけでもありません。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宗教などという
黴臭
(
かびくさ
)
いと思われるものに関る気はないし、そうかといって、夫人のいったまこととかまごころとかいうものを突き詰めて行くのは、安道学らしくて
身慄
(
みぶる
)
いが出るほど、
怖気
(
おぞけ
)
が振えた。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ガラッ八も、済んだことながら、今さら
怖気
(
おぞけ
)
をふるいました。
銭形平次捕物控:100 ガラッ八祝言
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この運八の失策は
忽
(
たちま
)
ち城下の評判となり武士と云わず町人と云わずすっかり
怖気
(
おぞけ
)
を
揮
(
ふる
)
ってしまい、日の暮れるのを合図にして人々は戸外へ出ようともしない。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一と思いに殺したが、そうまでするとお藤も
怖気
(
おぞけ
)
を振った。
銭形平次捕物控:039 赤い痣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
怖気
(
おぞけ
)
を
揮
(
ふる
)
う心持ち! 庄三郎は相手の様子を油断なくとっくりと窺った。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その掛け声その矢走りの世にも鋭く凄いのに
怖気
(
おぞけ
)
を揮って逃げ帰った。
日置流系図
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「それで
家中
(
うちじゅう
)
もうすっかり
怖気
(
おぞけ
)
を
揮
(
ふる
)
っておりますので」
日置流系図
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いやに
怖気
(
おぞけ
)
を振るい出したな」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そろそろ
怖気
(
おぞけ
)
を
揮
(
ふる
)
う奴もある。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
怖
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“怖気”で始まる語句
怖気立
怖気付