トップ
>
怖毛
>
おぞけ
ふりがな文庫
“
怖毛
(
おぞけ
)” の例文
家来や百姓は、イノチガケの凄味に舌をまいて
怖毛
(
おぞけ
)
をふるったかも知れないが、信長の偉さの正体は半信半疑で、わからなかったに相違ない。
織田信長
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
自己の生活に濫して酒肉を買ひ、
傍
(
はた
)
に迷惑をかけても
恬
(
てん
)
として恥ぢないやうな、生若い似非デカダン、道楽デカダンには私は何時も
怖毛
(
おぞけ
)
を振ふ。
文壇一夕話
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
市川
海老蔵
(
えびぞう
)
は甲府へ乗り込む時にここの川越しに百両の金を
強請
(
ゆす
)
られたために
怖毛
(
おぞけ
)
を
振
(
ふる
)
って、後にこの本街道を避けて大菩薩越えをしたということ。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
売国
奴
(
ど
)
、国賊、——あるいはそういう名が倉地の名に加えられるかもしれない……と思っただけで葉子は
怖毛
(
おぞけ
)
をふるって、倉地から飛びのこうとする衝動を感じた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
来朝以来、公けの席などで芸者といふものを
恰
(
あたか
)
も日本の代表的女性のやうに誇示される機会はあるにはあつたが、正直のところA氏はこの種の女性には
怖毛
(
おぞけ
)
をふるつてゐる。
三つの挿話
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
その晩の
為体
(
ていたらく
)
には
怖毛
(
おぞけ
)
を震って、さて
立退
(
たちの
)
いて貰いましょ、御近所の前もある、と
店立
(
たなだ
)
ての談判にかかりますとね、引越賃でもゆする気か、酢のこんにゃくので動きませんや。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ひ熊もいる、狼もいる!——そう云った戸田老人の言葉が、いきいきと
甦
(
よみがえ
)
った。ぞッと
怖毛
(
おぞけ
)
だつものがあった。それを聞いたのは夏だ。家中が隊を組んで道普請していたときのことだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
いかに人通りの少ない屋敷町でも、往来のまん中で提重の惚気を聴かされては堪らないと、半七も
怖毛
(
おぞけ
)
をふるった。しかし今の場合、かれも度胸を据えて其の相手にならなければならないと覚悟した。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ガラツ八も、濟んだこと乍ら、今更
怖毛
(
おぞけ
)
をふるひました。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ただ、怖いのはあの犬です、あの黒犬だけには、がんりきも
怖毛
(
おぞけ
)
をふるいますよ、あの犬がついている以上は、ものになるべきものもものになりません
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「さア、どうぞ。あやかは昨夜から、僕のところへ泊りこみさ。土居光一が現れ、
怖毛
(
おぞけ
)
をふるっているわけさ」
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
子供は母親を見あげて、その眼の冷たさにぞッと
怖毛
(
おぞけ
)
だった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
ぞーっと水を浴びせられたように
怖毛
(
おぞけ
)
をふるった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
海に慣れた船頭漁師も
怖毛
(
おぞけ
)
をふるって、一斉に
艪
(
ろ
)
を急がせて逃げて帰るということです。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
当時、この附近の村里に住む人は、この太鼓の音を聞くと
怖毛
(
おぞけ
)
をふるったものです。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
怖
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
“怖”で始まる語句
怖
怖々
怖気
怖氣
怖怖
怖味
怖畏
怖気立
怖気付
怖恐