トップ
>
怖毛
>
おじけ
ふりがな文庫
“
怖毛
(
おじけ
)” の例文
特に雷霆は狼に似て、
猜疑
(
さいぎ
)
ぶかく、この巨犬には犬奉行の配下もみな
怖毛
(
おじけ
)
をふるって“犬神”ともよんで敬遠していた。事実、なんど咬まれているか知れないのだった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
サン・モリッツは、
豪奢第一
(
ファッショナブル
)
の冬の
瑞西
(
スイツル
)
のなかでも最上級のブルジョア向きと見なされている土地である。そのため、大概の人が
怖毛
(
おじけ
)
をふるって、近処の村落に宿をとる。
踊る地平線:11 白い謝肉祭
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
年寄りで醜悪の姥に対しては、範覚以外のどのような男も、
怖毛
(
おじけ
)
を揮って近寄らなかった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その眼とどす黒い顔の色とはその顔をぞっと
怖毛
(
おじけ
)
の立つような気味の悪いものにした。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
札木合
(
ジャムカ
)
(すっかり
怖毛
(
おじけ
)
立って)いや、貪る鷹のような
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
軍のいきおいだ。
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
は、総身
銅
(
あかがね
)
のように鍛えられ、土踏まずや腋の下にさえ、針も通らぬというではないか。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
▼ もっと見る
七百あまり打ち殺され、寄せ手はにわかに
怖毛
(
おじけ
)
立ち、潮の引くように退いた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
山楂子の実は
甘酸
(
あまず
)
っぱい味がして、
左程
(
さほど
)
まずくもないそうだけれど、その
埃
(
ほこり
)
だらけなのに
怖毛
(
おじけ
)
をふるって、私達はとうとう手が出なかった。この山楂子売りはハルビン街上風景の一主要人物である。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
まだ品物を見ないうちから、身ぶるいするほど
怖毛
(
おじけ
)
をふるっている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
怖
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
“怖”で始まる語句
怖
怖々
怖気
怖氣
怖怖
怖味
怖畏
怖気立
怖気付
怖恐