“瑞西”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
スイス62.5%
スイツル9.4%
スヰス6.3%
スイッツル3.1%
スイツツル3.1%
スウィッツル3.1%
スヰツツル1.6%
すいす1.6%
すいっつる1.6%
すいつる1.6%
スィツル1.6%
スウィス1.6%
スウイス1.6%
スヰツル1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老医師はその妻子だけを瑞西スイスに帰してしまい、そうして今だにどういう気なのか頑固がんこに一人きりで看護婦を相手に暮しているのだった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そうなって、当時の瑞西スイツルを考えると、新教アナバプチスト派の侵入をうけていて、加特力カトリックの牙城が危胎に瀕していたのですからね。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
妹の方は顔を赤くして話す様な内気な娘だが、瑞西スヰスで棒の様な垂氷つらゝを見たことなどを語ると姉の方が其れを訳して聞かせた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
例えば第一回は白耳義ベルギー、第二回は和蘭オランダ、第三回は智利チリ、第四回はキューバ、昨年の第五回は瑞西スイッツルというがごとし。
大約おほよそ三百ヤードばかり距離きよりを四くわい往復わうふくするのであるが優勝者チヤンピオンには乘組のりくみ貴婦人連レデイれんからうるはしき贈物おくりものがあるとのことで、英人エイじん佛人フツじん獨逸人ドイツじん其他そのほか伊太利イタリー瑞西スイツツル
昨夕へいげんと両々手を携えて門前を逍遥しょうようし、家に帰りて後、始めて秘蔵せし瑞西スウィッツル製の金時計を遺失せしをりぬ。警察に訴えて捜索を請わんか、可はすなわち可なり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ベルンの市街まちを歩きながら、氏は瑞西スヰツツル製の懐中時計が世界に名高い事を思ひ出して記念のため一つつて置きたいと思つた。
瑞西すいす國などは山國にて海魚に乏しく、山家の民は牛乳のみを以て滋養の食物と爲せり。
肉食之説 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
杜国とこく亡びてクルーゲル今また歿ぼっす。瑞西すいっつるの山中に肺にたおれたるかれの遺体いたいは、故郷ふるさとのかれが妻の側にほうむらるべし。英雄の末路ばつろ、言は陳腐ちんぷなれど、事実はつねに新たなり。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
真青に澄切ってる、この湖に映じて、如何いかな風流気のない唐変木とうへんぼくも、思わずあっと叫ばずにはおられない、よく談話はなしにきく、瑞西すいつるのゲネパ湖のけいも、くやと思われたのであった、何様なにさま
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
われかつて『ウィルヘルム・テル』の劇を見たりし時、しいたげられしといふ瑞西スィツルの土民、その暴主と問答する態度の豪気ある事、決してわが佐倉宗五郎さくらそうごろうの如き戦々兢々たるの比にあらざる事を知れり。
矢立のちび筆 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
瑞西スウィスにいるうちに、Bernベルン で心臓病になって死んだ。それからクロポトキンだが、あれは Smolenskスモレンスク 公爵の息子に生れて、小さい時は宮中で舎人とねりを勤めていた。
食堂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「ミュゾオの館」というのは、御承知のようにリルケがその晩年を過した瑞西スウイスのヴァレェ州にある古い château のことである。
雉子日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「お母様。湯本から登山電車に乗つて御覧にならない。此間の新聞に、日本には始めての登山電車で瑞西スヰツルの登山鉄道に乗つてゐるやうな感じがするとか云つて、出てゐましたのよ。」
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)