“だらし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乱次53.8%
亂次15.4%
節制7.7%
秩序7.7%
体裁7.7%
検束7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
事によると乱次だらしのない父親の愛情がさうさせたものらしい、子供にしては可愛気のないほこりのやうなものが、産れつきの剛情と一つになつて
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
で、まちでは病院びやうゐん這麼有樣こんなありさまらぬのではく、一そう棒大ぼうだいにして亂次だらしいことを評判ひやうばんしてゐたが、これたいしては人々ひと/″\いたつて冷淡れいたんなもので、むし病院びやうゐん辯護べんごをしてゐたくらゐ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かれにはには節制だらしのないさわぎのこゑみゝ支配しはいするよりもとほかつはるかやみ何物なにものをかさがさうとしつゝあるやうにたゞ惘然ばうぜんとしてるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
威勢ゐせいよくつた老人等としよりらあかどう太鼓たいこ首筋くびすぢからむねつて、だらり/\とたゝいてさきつとあしもともと節制だらしなくなつたすべてがあとから/\と、ことばあさんさわぎながらついる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それだのに早くから文学にはまって始終空想のうちつかっていたから、人間がふやけて、秩序だらしがなくなって、真面目になれなかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
従って何程なにほど古手の思想を積んで見ても、木地の吾は矢張やっぱりもとのふやけた、秩序だらしのない、陋劣ろうれつな吾であった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
兎も角もそんな体裁だらしない風をして雨の中を歩く奴があるものか、待て待て、俺が始末をして遣ると、背後から手を伸して後褄うしろづまを引あげ、裳をクルリと捲る途端にピカリ
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
毛の多い、真黒な髪を無造作に束ねて、垢染みた衣服きものに細紐の検束だらしなさ。野良稼ぎもしないから手は荒れてなかつたけれど、踵は嘗て洗つた事のない程黒い。私が入つて行くと
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)