トップ
>
乱次
>
だらし
ふりがな文庫
“
乱次
(
だらし
)” の例文
旧字:
亂次
その疲れた、ぐったりした餅のように
乱次
(
だらし
)
のないからだは、まるで柔らかく居睡りするたびごとに、全体を少しずつ動かしていた。
或る少女の死まで
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
事によると
乱次
(
だらし
)
のない父親の愛情がさうさせたものらしい、子供にしては可愛気のない
矜
(
ほこ
)
りのやうなものが、産れつきの剛情と一つになつて
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
で、
町
(
まち
)
では
病院
(
びょういん
)
のこんな
有様
(
ありさま
)
を
知
(
し
)
らぬのでは
無
(
な
)
く、一
層
(
そう
)
棒大
(
ぼうだい
)
にして
乱次
(
だらし
)
の
無
(
な
)
いことを
評判
(
ひょうばん
)
していたが、これに
対
(
たい
)
しては
人々
(
ひとびと
)
は
至
(
いた
)
って
冷淡
(
れいたん
)
なもので、
寧
(
むし
)
ろ
病院
(
びょういん
)
の
弁護
(
べんご
)
をしていた
位
(
くらい
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と、猫は驚いて一瞬間じっと
竦
(
すく
)
んでいたが、やがて一つ
欠伸
(
あくび
)
をして、背中を盛りあげ、またしゃがんで暫く眼をぱちくりさせてから、ぐったりと腰をまげると、そのまま
乱次
(
だらし
)
なく
睡
(
ね
)
こんでしまった。
老嬢と猫
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
乱次
(
だらし
)
ない雨はふる、ふりそそぐ、にじむ、曳く、消ゆる、
滴
(
したた
)
る。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
劇
(
はげ
)
しい仕事のなかに、朝から薄ら眠いような顔をしている
乱次
(
だらし
)
のない小野田の姿が、時々お島の目についた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
振られた年増女の私は間もなく腰を上げ、表に出るのであるが、あんなに飲んでいのちに別状ないものか、あんな
乱次
(
だらし
)
のない奴はないと呟やいて見たものの、私はそのままでは帰れなかった。
わが愛する詩人の伝記(三):――萩原朔太郎――
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
房吉は時々出かけてゆく、近所の
釣堀
(
つりぼり
)
へ遊びに行っていたし、房吉の姉のお鈴は、小さい方の子供に、乳房を
啣
(
ふく
)
ませながら、
茶
(
ちゃ
)
の
室
(
ま
)
の方で、手枕をしながら、
乱次
(
だらし
)
なく眠っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
乱
常用漢字
小6
部首:⼄
7画
次
常用漢字
小3
部首:⽋
6画
“乱次”で始まる語句
乱次無