“乱次”のいろいろな読み方と例文
旧字:亂次
読み方割合
だらし58.3%
しどけ16.7%
しだら8.3%
しどな8.3%
しどろ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その疲れた、ぐったりした餅のように乱次だらしのないからだは、まるで柔らかく居睡りするたびごとに、全体を少しずつ動かしていた。
或る少女の死まで (新字新仮名) / 室生犀星(著)
秋草を銀で刺繍ぬいとりして、ちらちらと黄金きんの露を置いた、薄いお太鼓をがっくりとゆるくして、うすものの裾を敷いて、乱次しどけなさったら無い風で、美しい足袋跣足たびはだしで、そのままスッと、あの別荘の縁を下りて
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
花崗かこうの山に上りつけた人は、一枚岩の、兀々ごつごつとした石山を想像するであろうが、常念岳は大天井岳と同じく、石片の乱次しだらなき堆積である、幾百千枚も積んで、上へ行くだけ痩削そうさくして来る
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
込合へる人々のおもては皆赤うなりて、白粉おしろい薄剥うすはげたるあり、髪のほつれたるあり、きぬ乱次しどな着頽きくづれたるあり。女はよそほひ飾りたれば、取乱したるがことに著るく見ゆるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いわんや不整方程式には、頭も乱次しどろになり、無理方程式を無理に強付しいつけられては、げんなりして、便所へ立ってホッと一息く。代数も分らなかったが幾何きかや三角術は尚分らなかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)