“わずか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
僅73.7%
纔19.3%
僅少4.4%
才0.7%
些0.4%
少数0.4%
環寸0.4%
裁0.4%
許少0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
速力も一時間二百哩(マイル)くらい出るので、たとえば水底をくぐって僅(わずか)の間に太平洋横断ができるという、まことに恐るべき発明であった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
路(みち)も纔(わずか)に通ずるばかり、枯れても未(ま)だ葎(むぐら)の結(むす)ぼれた上へ、煙の如く降りかゝる小雨(こさめ)を透かして、遠く其の寂(さび)しい状(さま)を視(なが)めながら
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
僅少(わずか)の貯蓄(たくわえ)で夫妻が冷たくなろうとは思われる理由がない。老妓の推測は自分だけの心にしかわからなかったのであろう。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
而して某方(まさ)に炎々赫赫、寵を怙(たの)みて悔ゆるなく、召対(しょうたい)方(まさ)に闕下(けつか)に承け、萋斐(せいひ)輒(すなわ)ち君前に進む。委蛇(いい)才(わずか)に公より退けば、笙歌已に後苑に起る。声色狗馬(せいしょくくば)、昼夜荒淫、国計民生、念慮に存ずるなし。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
長次郎は下を廻って雪渓を搦(から)んで来たと話したが、見た所では私達には真似られそうにもない。此峰の北側は些(わずか)の平で二坪程の池がある。野営でもしたものか燼(もえさし)の木が散らばっている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
同僚の者など誰一人行きたがらぬものはないが、これを貰ったのはごく少数(わずか)の人なので、たかが属官風情の私などが出席できるというのは、殆ど異例といってもよい位なものさ。
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
『戦国策』に人あり係蹄(わな)を置きて虎を得たるに、虎怒りて蹯(あしのうら)を決(き)って去る、虎の情その蹯を愛せざるにあらざれど、環寸(わずか)の蹯を以て七尺の躯を害せざる者は権なりとあって虎の決断を褒(ほ)め居る。
驕子(きょうし)良三は往々五十四万石の細川家から、十万石の津軽家に壻入する若殿を凌(しの)いで、旅中下風(かふう)に立っている少年の誰(たれ)なるかを知らずにいた。寛五郎は今の津軽伯で、当時裁(わずか)に十七歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いずれも若い、三十許少(わずか)に前後。気を負い、色熾(さかん)に、心を放つ、血気のその燃ゆるや、男くささは格別であろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)