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ふりがな文庫
“
裁
(
さば
)” の例文
「果てしない押問答、むだな争いというものだ。このうえは、西山荘へ参って、老公に是か非かのお
裁
(
さば
)
きを仰ごう。さあ、歩け」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村長は税を割り当て、各人に正当な負担を負わせ、無報酬で争いを
裁
(
さば
)
き、無料で遺産を分配し、無費用で判決を下しています。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「ましてお前の父さんは、お主の家を思つてしたことだし、相手は兇状持だ。精々遠島か所拂ひ、極く/\輕いお
裁
(
さば
)
きで濟むかも知れない」
銭形平次捕物控:127 彌惣の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「苅田壮平のためになにかしよう」と功兵衛は呟いた、「罰するだけが
裁
(
さば
)
きではないからな、明日は靱町へいって相談しよう」
醜聞
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もし現代の科学を一通り心得た
大岡越前守
(
おおおかえちぜんのかみ
)
がこの事件を
裁
(
さば
)
くとしたら、だまされたほうも
譴責
(
けんせき
)
ぐらいは受けそうな気がする。
路傍の草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
されどドアジォ、リルラ、ガンド、及びブルーゼスの力足りなば
報
(
むくい
)
速かにこれに臨まむ、我また萬物を
裁
(
さば
)
き給ふ者にこの報を乞ひ求む 四六—四八
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
神の
裁
(
さば
)
きは、着々と進んで、私は大きな不幸に
出逢
(
であ
)
ひ、死の蔭の谷間を通ることを、餘儀なくさせられた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
いいやな、これ程申してもお用立出来ぬと仰せあるならば、致し方がおじゃりませぬゆえな、今から江戸へ急飛脚飛ばして、寺社奉行様のお
裁
(
さば
)
きを願いましょうわい。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
すると、罪人たちは地獄の底から主に感謝して、『主よ、かく
裁
(
さば
)
きたるなんじは正し』と叫ぶのだ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
二つ折れに屈んで地面を
検
(
しら
)
べると、井戸の縁に片足かけて刀に滴る血潮を振り
裁
(
さば
)
いたものとみえて、どす黒い点が土の上を一列に走ってもよりの油障子の腰板へ跳ねて
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こう云ったとて私は、世の義人に偽善者を
裁
(
さば
)
く手心をゆるめて貰いたいと歎願するのではない。偽善者は何といっても義人からきびしく裁かれるふしだらさを持っている。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
はその
時
(
とき
)
自分
(
じぶん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
をふりかへつて、
再婚
(
さいこん
)
に
心
(
こゝろ
)
の
動
(
うご
)
くのは
無理
(
むり
)
もないことだと
自
(
みづか
)
ら
裁
(
さば
)
いた。それを
非難
(
ひなん
)
する
人
(
ひと
)
があつたならば、
彼女
(
かのぢよ
)
は
反對
(
はんたい
)
にその
人
(
ひと
)
を
責
(
せ
)
めたかもしれない。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「
俺
(
おれ
)
を
裁
(
さば
)
くがいい。俺も貴様を裁いてやる。百年たってから顔を合わせようじゃないか!」
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
去年三月の片手落ちなお
裁
(
さば
)
きから見ても、また今度の大学様の手重い御処分から見ても、吉良家に乱入したものをそのまま助けておかれるはずはない。
必定
(
ひつじょう
)
一党の死は
極
(
きわ
)
まった!
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
禁断
(
きんだん
)
の
園
(
その
)
に忍び入ったる罪は、今、
裁
(
さば
)
かれようとしているのだ。僕はもう観念した。たとえ針の山であろうと
無間地獄
(
むげんじごく
)
であろうと、追いやられるところへ
素直
(
すなお
)
に行くしかないのだ。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかしわしはそれを
裁
(
さば
)
く権利を持っていないのだ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「いゝえ、言論じゃありません。兄弟の
裁
(
さば
)
きです」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
映画の絵看板は「
裁
(
さば
)
かるるジャンヌ」であった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「こんな人間たちに
裁
(
さば
)
かれるなんて」
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
「それが公平な
裁
(
さば
)
きだ」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
座談の時とはちがって、慈円僧正は、やや恐いような
厳
(
おご
)
そかな顔をもって、七条の
袈裟
(
けさ
)
を、きちっと
裁
(
さば
)
いて正面に坐っていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それくらゐのことなら、お前でも
裁
(
さば
)
けるだらう。——綺麗で我儘で身勝手な妾を殺すのは誰か——くらゐのことは、直ぐわかるぢやないか」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれども要屋は御定法を
楯
(
たて
)
にとって、どうしても正式な
裁
(
さば
)
きを願う、と云ってきかないのだそうであった。
改訂御定法
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
報罪は全く自発的のもので罪ある者自ら自分を
裁
(
さば
)
き自分にそれを課するのである(報罪の coulpe と罪ある者の coupable は同じ語原である)
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
神は、我々人間のやうな見方ではなく、もつとずつと明らかに御覽になり、人間のやうな
裁
(
さば
)
き方ではなく、もつとずつと賢明な
裁
(
さば
)
き方をなさるのだ。私は間違つたことをした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
さうしてそれよりも
猶
(
なほ
)
彼女
(
かのぢよ
)
にとつて
恐
(
おそ
)
ろしいことは、一
人前
(
にんまへ
)
になつた
子供
(
こども
)
が、どんな
風
(
ふう
)
に
母親
(
はゝおや
)
のその
祕密
(
ひみつ
)
を
解釋
(
かいしやく
)
し、そしてどんな
裁
(
さば
)
きをそれに
與
(
あた
)
へるだらうかといふことであつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
最高の神の
裁
(
さば
)
きによって特別にのろわれたる破門者となって、異教徒と全然同じように、神聖な教会から追放されるに違いありません、ですからわたしが口をきる一瞬間というよりも
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「おれが一つ
裁
(
さば
)
いてやろうか」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「わたくしに落度はありません。また、わたくしは殿さまの側小姓で、殿さまが、御家臣から迫られて、お
裁
(
さば
)
きに困るようなことは
仕
(
つかまつ
)
りません」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
慣れない仕事で、自分ではどうにも
裁
(
さば
)
きがつかず、さうかと言つて、評判のよくない三輪の萬七に全部を任せるのも甚だ進まなかつたのでせう。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「矢堂は
放埓
(
ほうらつ
)
者かもしれませんが藩士です。それを白洲へ呼び出して、商人などと並べて
裁
(
さば
)
きにかけるということは、
家中
(
かちゅう
)
ぜんたいの面目にかかわると思うんですがね」
改訂御定法
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
クンベルランドのハンノーヴル
驃騎兵
(
ひょうきへい
)
は、後に
裁
(
さば
)
かれて
罷免
(
ひめん
)
されることになった連隊長ハッケを頭として、全連隊が混戦の前に手綱をめぐらして、ソアーニュの森の中に逃げ込み
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
私はこの人を守り、抱き、慰めないといふことがあらうか。私の胸の中には、愛がないだらうか。私の決心には眞實がないだらうか。神さまの
裁
(
さば
)
きの座ではそれが
償
(
つぐな
)
つてくれるのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
夫婦喧嘩は犬も喰わないというが、南蛮寺のばてれんが通りかかればその夫婦喧嘩にまで立ち入って、
懇
(
ねんご
)
ろに
裁
(
さば
)
いてやる。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「薄情なやうだが、
父
(
とつ
)
さんのためだ。子分衆を手一杯に働かせて、お品さん一人の手にこいつを
裁
(
さば
)
いて見る氣はないか」
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
よってまず新たなる犯罪について処罰し、更に再犯については後に
裁
(
さば
)
くべきである。——この起訴に対して、また証人らの一様なる供述に対して、被告は何よりもまず驚いたようだった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「ほんに、どうしたらよい世なのでしょう。世の中を恨むべきではない、人間というこの魔性の者をみずから
裁
(
さば
)
けと、あなたはさっき仰っしゃったけれど」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「物の道理を言ひ聞かせるなり、繩を打つなり、平次親分ならワケもなく
裁
(
さば
)
いて下さるだらう——と」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は社会を
裁
(
さば
)
いてそれを罪ありとした。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
信長は、彼にも理由のあることかも知れぬと、北陸陣の諸将が帰るのを待ってから
裁
(
さば
)
くつもりでいたが
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下手人ながら江戸追放といふ輕い
裁
(
さば
)
きを受け、平次が預つてゐるお鶴をつれて、川崎在のお鶴の母を訪ね、そのまゝ土着して安らかに暮してゐるといふことでした。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尚更重要な位置にゐたり、日常人に接して要務を
裁
(
さば
)
いてゐる者などは、殊に、自分の職業の上では、他人に壓されまい、負けまい、蔑まれまい、敗れまいと心がける。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
下手人ながら江戸追放という軽い
裁
(
さば
)
きを受け、平次が預かっているお鶴をつれて、川崎在のお鶴の母を訪ね、そのまま土着して安らかに暮しているということでした。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この
旱
(
ひでり
)
では、今から凶年の策をも立てておかねばなるまいと、近ごろは、まま遠くの領下まで、ようお歩きなされまする。それに、水喧嘩のお
裁
(
さば
)
きやら、枯れ田の百姓衆を
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日頃錢形平次の
逞
(
たくま
)
しい智慧に推服し、むづかしい事件があると、何んの痩せ我慢もなく、後輩の平次を引つ張り出して、その明智の
裁
(
さば
)
きに享樂すると言つた肌合ひの男です。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
正成の声が「——入れ」と内で
宥
(
いたわ
)
っている。その側には、正季もいた。卯木は、
裁
(
さば
)
きの前にすえられたように、ちょっと、良人の顔をうながして、共に片隅へ手をつかえた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次はこの美しい顏と
醜
(
みにく
)
い心を持つた女の處置を、天の
裁
(
さば
)
きに
委
(
ゆだ
)
ねる氣で居るのでせう。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは、一
女性
(
にょしょう
)
、一
地下人
(
ちげびと
)
の問題ではない。院の
御徳
(
おんとく
)
を
晦
(
くろ
)
うし、われら武者所の名にもかかわる。もし、刑部省の手にかかり、朝廷のおん
裁
(
さば
)
きをうけては、われらなんの面目やある。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何んの、親分でも
裁
(
さば
)
いてくれなきや、私は夜もおち/\眠れませんよ。昨日も窓を
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤助は五十前後の
確
(
しつか
)
り者らしい感じのする男、その代り支配人としては此上もない働き者でせう。
秤座
(
はかりざ
)
の仕事をして三十何年、今では主人彦太郎に代つて、大抵のことを
裁
(
さば
)
いて居ります。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
裁
常用漢字
小6
部首:⾐
12画
“裁”を含む語句
裁縫
体裁
仲裁
體裁
不体裁
裁判所
裁断
裁着
裁縫師
制裁
裁決
中裁
裁判
裁判官
裁可
裁付袴
自裁
裁縫物
裁縫屋
御裁可
...