そう)” の例文
それで私は今なお病床にある身だが、衰弱を押してもあえて「日本の眼」と題する一文をそうして世に訴えたい志を起すに至った。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
お春は静かに次のへと退ったがしばしして、秋の空を思えとや、紫紺に金糸銀糸きんしぎんしもて七そうを縫った舞衣まいぎぬを投げかけ金扇きんせんかざして現われました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
……羽織を着たまま左の袖口に巻込んで、矢蔵のそうという形で、右に出刃を構えたが、すずしい目でじっると、庖丁の峯を返してとんと魚頭を当てた、猿の一打ひとうち、急所があるものと見える。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)