“二艘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そう25.0%
にさう25.0%
にそう25.0%
にはい25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渡舟は、一、二艘そうしかない。順々に人が山のように盛られて対岸へ運ばれた。鹿之介と苦労を共にして来た三十余名の郎党のなかに、彼の妻や幼い子も、埋もれるように船の中に乗せられていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、兎は老人をいたわりながら、前足をあげて、海辺につないである二艘にさうの舟を指さした。舟の一つは白く、一つは墨をなすつたやうに黒い。
かちかち山 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
品川から出た二艘にそうの幕府の汽船に押し積まれて静岡へまでもつれてゆかれる幾百戸かの家族、それは徳川にしても厄介ものだったに違いない、ついてゆかねばならぬというものの中には
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
港の中には汽船ふね二艘にはい、四つ五つの火影ほかげがキラリ/\と水に散る。何処ともない波の音が、絶間たえまもない単調の波動を伝へて、働きの鈍り出した渠の頭に聞えて来た。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)