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奏
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そう
ふりがな文庫
“
奏
(
そう
)” の例文
風が傷口からふきこむと、いかにも悲しそうな音楽を
奏
(
そう
)
して、この気のどくなまつがみずから
痛
(
いた
)
みをうったえる声のように聞かれた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
目安箱の上書が
効
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
して、
楓
(
かえで
)
の
間
(
ま
)
の密議となり、元京都所司代であった松平
輝高
(
てるたか
)
は、召されて将軍家から内々に秘命をうけた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
食堂から
寝室
(
しんしつ
)
に
厳
(
おごそ
)
かにやっていく時には、
元気
(
げんき
)
のいい
行進曲
(
マーチ
)
を
奏
(
そう
)
した。時によっては、
二人
(
ふたり
)
の
弟
(
おとうと
)
といっしょに
行列
(
ぎょうれつ
)
をつくった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その
手篤
(
てあつ
)
い看護が
効
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
したのか、それとも竹見の友情が天に通じたのか、ハルクはすこし元気を取り戻したようであった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その後あの曲を
奏
(
そう
)
する毎に、人智の及ばぬ
異變
(
いへん
)
があり、お前の父親一色清五郎殿が、嚴重な封をしてこの私に預けたのだ。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
今日までの
成跡
(
せいせき
)
を以て見れば
未
(
いま
)
だ失望の箇条もなく、先ず
費
(
ついや
)
したる財と労とに
報
(
むくい
)
る
丈
(
だ
)
けの功をば
奏
(
そう
)
したるものというべし。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
秋からの努力が多少効果を
奏
(
そう
)
したので、はげみがついている。なお新年早々お殿様のお目にかかったとき、特別にありがたいお言葉を頂戴した。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかし
此
(
この
)
説明
(
せつめい
)
は
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
せなかつた。
子供
(
こども
)
には
昔
(
むかし
)
の
寒山
(
かんざん
)
が
文殊
(
もんじゆ
)
であつたのがわからぬと
同
(
おな
)
じく、
今
(
いま
)
の
宮崎
(
みやざき
)
さんがメツシアスであるのがわからなかつた。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
壮二君の子どもらしい思いつきが、ぐうぜん
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
したのです。賊が、わなをはずそうともがいているあいだに、四ほうから人々がかけつけました。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかるに
九九
少納言信西
(
せうなごんしんぜい
)
がはからひとして、
若
(
も
)
し
呪咀
(
じゆそ
)
の心にやと
奏
(
そう
)
しけるより、そがままにかへされしぞうらみなれ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
兵士
(
へいし
)
の
軍楽
(
ぐんがく
)
を
奏
(
そう
)
しますのは
勇
(
いさ
)
ましいものでございますが、
此
(
こ
)
の時は
陰々
(
いん/\
)
として
居
(
を
)
りまして、
靴
(
くつ
)
の
音
(
おと
)
もしないやうにお
歩行
(
あるき
)
なさる事で、
是
(
これ
)
はどうも
歩行
(
ある
)
き
悪
(
にく
)
い事で
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
政府はほとんど全国の兵を
挙
(
あ
)
げ、
加
(
くわ
)
うるに文明
精巧
(
せいこう
)
の
兵器
(
へいき
)
を以てして
尚
(
な
)
お
容易
(
ようい
)
にこれを
鎮圧
(
ちんあつ
)
するを得ず、
攻城
(
こうじょう
)
野戦
(
やせん
)
凡
(
およ
)
そ八箇月、わずかに
平定
(
へいてい
)
の
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
したれども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
してこの類の病気には信仰が
著
(
いちじる
)
しく功を
奏
(
そう
)
したろうけれども、
黴菌
(
ばいきん
)
から起こる病いのごときに至っては、宗教が入り
込
(
こ
)
んではかえって
療治
(
りょうじ
)
の
邪魔
(
じゃま
)
になることが多い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
茶番
(
ちやばん
)
をやる
水兵
(
すいへい
)
もある、
軍樂
(
ぐんがく
)
を
奏
(
そう
)
する
仲間
(
なかま
)
もある、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
得意
(
とくい
)
に、
薩摩琵琶
(
さつまびわ
)
『
河中島
(
かはなかじま
)
』の
一段
(
いちだん
)
を
語
(
かた
)
つた。
此
(
この
)
男
(
をとこ
)
に、
此樣
(
こん
)
な
隱
(
かく
)
し
藝
(
げい
)
があらうとは
今日
(
けふ
)
まで
氣付
(
きづ
)
かなかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして
御殿
(
ごてん
)
の一
室
(
しつ
)
に、
美
(
うつく
)
しいお
姫
(
ひめ
)
さまが
住
(
す
)
んでいられて、
毎日
(
まいにち
)
、
歌
(
うた
)
をうたい、いい
音色
(
ねいろ
)
をたてて
音楽
(
おんがく
)
を
奏
(
そう
)
せられ、そして、
窓
(
まど
)
ぎわによりかかっては、
遠
(
とお
)
くの
空
(
そら
)
をながめられて
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とつぎには安場の作戦が奇功を
奏
(
そう
)
し、スクイズプレーでまた一点を取った。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
方々でいろいろな音楽も
奏
(
そう
)
されました。晴れた空には月が澄みきっていました。
燈火
(
あかり
)
は一切ともすことが許されませんでした。お城全体が、月の光りと音楽と踊りといい
香
(
にお
)
いとで
湧
(
わ
)
き返るようでした。
お月様の唄
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
樂
(
がく
)
を
奏
(
そう
)
しはじむる。
男女
(
なんにょ
)
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りあうて
舞踏
(
をど
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
信雄のお人好しが功を
奏
(
そう
)
するやいなと、危うんでいたことだったが、かくも現実主義に、こうも迅速に、それまで態度を保留していた勝入入道が
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
情
(
なさ
)
けないことだなあ」とマチアがため息をついた。「このけものさえ音楽が
好
(
す
)
きなら、どんなにもどうどうと、
凱旋
(
がいせん
)
の曲を
奏
(
そう
)
しながらはいって行けるのだけれど」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
一日中で一番陽氣の
旺
(
さか
)
んな時、例へば正
午
(
うま
)
の
刻
(
こく
)
と言つた時、四方を開け放ち、皆樣を銘々のお部屋に入れ、火の元の用心までも嚴重に見張つて、心靜かに
奏
(
そう
)
したなら
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
堀口生は先生から一本まいったが、黒板の広告は充分に効果を
奏
(
そう
)
した。以来正三君に
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
かえってわれわれの判断が誤りやすい、すなわちわれわれの忠告は
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
しない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その
虚
(
きょ
)
に乗じた諸戸の思い切ったやり口が、見事に
効
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
した訳である。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と、
豪奢
(
ごうしゃ
)
をこらした城内の一室へ迎え入れたのです。多くの、後宮の女には、
粉黛
(
ふんたい
)
をさせ、珠をかざらせ、
楽
(
がく
)
を
奏
(
そう
)
し、
盤
(
ばん
)
には、山海の珍味を盛って。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丁度その時は、通り過ぎる
空
(
から
)
自動車もなかったので、彼女は当然柾木の車に走り寄った。いうまでもなく、柾木の
偽瞞
(
ぎまん
)
が
効
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
して、彼女はその車を、辻待ちタクシーと思い込んでいたのである。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
われわれの訓戒が功を
奏
(
そう
)
することはおぼつかなく思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
剣持
(
けんもち
)
役の南遠江守をうしろに、八
葉
(
よう
)
の車から降りて入場する大納言尊氏、また、副将軍直義のすがたに、人々は一せいに
乱声
(
らんじょう
)
(ときの声に合せて急テンポに
楽
(
がく
)
を
奏
(
そう
)
す)
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この出来事に
於
(
おい
)
て、明智の方には
責
(
せ
)
むべき油断があった訳ではない。ただ、賊が、警察よりも、福田氏よりも、明智小五郎よりも、十歩も二十歩も先んじて、
虚
(
きょ
)
を
突
(
つ
)
いて
奇功
(
きこう
)
を
奏
(
そう
)
したに過ぎないのだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
諫言はたびたび
奏
(
そう
)
してあるがお用いのふうもないのだ。といってこの
趨勢
(
すうせい
)
を坐視してはいられない。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとたび旗を
中原
(
ちゅうげん
)
に立ててからの彼の父信長という人は、いずこに戦っても、一戦果せば直ちに
上洛
(
じょうらく
)
して禁門に戦果を
奏
(
そう
)
し、国のよろこびあれば歓びを
闕下
(
けっか
)
に
伏奏
(
ふくそう
)
し
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足利もさんざんな
敗相
(
はいそう
)
だったが、
高
(
こう
)
ノ
師直
(
もろなお
)
の迂回作戦と、細川
顕氏
(
あきうじ
)
の突撃が功を
奏
(
そう
)
してから、顕家の
麾下
(
きか
)
は分断され、みちのく以来の家士百八人も個々討死してしまい
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正成がおもてを
冒
(
おか
)
して、みかどへ
直々
(
じきじき
)
に強烈な諫言を
奏
(
そう
)
したのは、つい二月ごろのことである。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、
鐘巻一火
(
かねまきいっか
)
の
溜
(
たま
)
り
場
(
ば
)
へ、
凱歌
(
がいか
)
を
奏
(
そう
)
してひきあげてきたはいいが、それほどまで
争奪
(
そうだつ
)
の
焦点
(
しょうてん
)
となっていた、かんじんな咲耶子その者のすがたが、いつのまにか
失
(
うしな
)
われていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道誉は時々、その騎馬を、
輦輿
(
れんよ
)
の横へ並べて来ては、馬上のまま輿の内へ
奏
(
そう
)
していた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義貞は衛門まで進んで出陣の
奏
(
そう
)
をよそながらお告げした。と、その門内からだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、廉子は後日、
傷
(
いた
)
ましげに
奏
(
そう
)
していたが、じつは追手にせまられた混乱中、その廉子が船上から波間へ突きおとしたものであった一瞬を、運悪く行房だけがふと見ていたのだった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄蕃允の場合についていえば、まだ戦わぬ序において、彼は、敵と
対峙
(
たいじ
)
の「相」の期間に、秀吉の「マギレ」をつかみ、よくその「隙」を
衝
(
つ
)
いて中入りの奇功を
奏
(
そう
)
したものといえる。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……がしかし、朝廷へ
奏
(
そう
)
するにしても、恩賜の馬まで失ったとは申し上げ難い。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あきらかに功を
奏
(
そう
)
しているものらしく……城下に来ておる徳川方の部隊と、北畠家の武者たちとは、互いに、冷たい眼で、行動を監視し合い、城中の士は同じ城内にありながら、何となく
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
畏
(
かしこ
)
みて
奏
(
そう
)
し仰ぐ
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
奏
(
そう
)
した。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奏
常用漢字
小6
部首:⼤
9画
“奏”を含む語句
節奏
合奏
伴奏
吹奏
協奏曲
前奏曲
覆奏
四重奏曲
四重奏
復奏
奏鳴曲
伝奏
弾奏
演奏
覆奏詞
変奏
変奏曲
奏者
悲愴奏鳴曲
演奏会
...