“凱歌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がいか89.9%
かちどき7.3%
かちうた1.8%
かいが0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪は若檀那わかだんな様に物を言う機会が生ずる度に、胸の中で凱歌がいかの声が起る程、無意味に、何の欲望もなく、秀麿を崇拝しているのである。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
車夫は諸声いっせい凱歌かちどきを揚げ、勢いに乗じて二歩を抽き、三歩を抽き、ますますせて、軽迅たまおどるがごとく二、三間を先んじたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
油のやうな大河の流れに六月の碧空が映る時、燕は軽やかな翅を羽叩いていのちの凱歌かちうたをたゝへてゐる。蘆の間の剖蘆よしきりも、草原の牝牛もいのちの信愛に輝けるいたいけな眼を瞬いてゐる。
沈黙の扉 (新字旧仮名) / 吉田絃二郎(著)
わたしは非常なつかれと静けさを感じたが……ジナイーダの面影おもかげは相変らず飛びめぐって、わたしのたましいの上に凱歌かいがを奏していた。ただしその面影も、いつかひとりでに安らいできたように見えた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)