そう)” の例文
旧字:
うなると婦人の方が度胸のいもので、新吉の手を引いて病間へそうっと忍んで参りますと、惣右衞門は病気疲れでグッスリと寝入端ねいりばなでございます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
縁を切っても片時も忘れるひまは有りません故、或日用達ようたしに参って帰りがけ、旧来居ります與助よすけと云う奉公人を連れて、そうっと忍んで参り、お累のうちの軒下に立って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
圖書に捨てられては行処ゆきどころのない心細い処から、手灯てとぼしけてそうっと抜足して縁側へ出て、昼のうち見て置いた三尺の開きを明けて、書棚の両方に手をかけて押すと、ギーと廻る。
山刀やまがたなして片手に鉄砲をげ、忍足しのびあしで来て破れ障子に手を掛けまして、そうっと明けて永禪和尚とお梅の居ります所の部屋へ参って、これから掛合かけあいに成りますところ、一寸一息つきまして。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)