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草
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そう
ふりがな文庫
“
草
(
そう
)” の例文
而
(
しか
)
るに
形躯
(
けいく
)
を
変幻
(
へんげん
)
し、
草
(
そう
)
に
依附
(
いふ
)
し、
天
(
てん
)
陰
(
くも
)
り雨
湿
(
うるお
)
うの
夜
(
よ
)
、月落ち
参
(
しん
)
横たわるの
晨
(
あした
)
、
梁
(
うつばり
)
に
嘯
(
うそぶ
)
いて声あり。其の
室
(
しつ
)
を
窺
(
うかが
)
えども
睹
(
み
)
ることなし。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
畑の
次手
(
ついで
)
に、目の覚めるような
真紅
(
まっか
)
な
蓼
(
たで
)
の花と、かやつり
草
(
そう
)
と、豆粒ほどな青い
桔梗
(
ききょう
)
とを摘んで帰って、
硝子杯
(
コップ
)
を借りて
卓子台
(
ちゃぶだい
)
に活けた。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
木漏日ももらさぬ薄くらがりに、大きな葉をひろげた
広葉天南星
(
ひろばてんなんせい
)
や、まむし
草
(
そう
)
などが思うさまにその成長をつづけ、むしろ薄気味悪い
位
(
くらい
)
。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
千年の風雨も
化力
(
かりょく
)
をくわうることができず、むろん人間の手もいらず、一
木
(
ぼく
)
一
草
(
そう
)
もおいたたぬ、ゴツゴツたる石の原を半里あまりあるいた。
河口湖
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ふだん
草
(
そう
)
が、こないだから、こら、こんなになっちもうから、へんだと思っていたら、油虫を蟻がかついで来ちゃ、取りつかして食わしている。
廃墟(一幕)
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
▼ もっと見る
おばあさんの片折戸のせまい空地も
弟切
(
おとぎ
)
り
草
(
そう
)
が
苔
(
こけ
)
のように生えて、水引草、
秋海棠
(
しゅうかいどう
)
、おしろいの花もこぼれて咲いていた。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ドールン (吐き出すように)ええ! じゃ、カノコ
草
(
そう
)
の水薬(訳注 カノコ草の根から製した鎮静剤)でもやるですな。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
此
(
こ
)
の一文を
草
(
そう
)
するに当っても、何一つとして先人の手に成った権威ある文献を
渉猟
(
しょうりょう
)
してはいないため、一般の定説や
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
また
一人
(
ひとり
)
の
娘
(
むすめ
)
のまくらもとには、いいオルガンがありました。そうして、もう
一人
(
ひとり
)
のちぢれ
髪
(
げ
)
の
娘
(
むすめ
)
のまくらもとには、
赤
(
あか
)
いとこなつ
草
(
そう
)
がありました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
休む暇といったら
桑
(
くわ
)
の実とか野生の
梨
(
なし
)
とか、または、口がしびれ、唇が白くなり、そして
喉
(
のど
)
の渇きをとめるうつぼ
草
(
そう
)
の実とかをちぎる時だけである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
宮方の、三
木
(
ぼく
)
一
草
(
そう
)
、みな死に枯れた——と都人はいった。とまれ宮方勢も、士気は
荒
(
すさ
)
び、内からはしばしば内応者が出、危機の
兆
(
きざし
)
をあらわしていた。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
頃
(
ころ
)
のすみれは、
今
(
いま
)
のれんげ
草
(
そう
)
、もっと
普通
(
ふつう
)
に、げんげといつてゐる
花
(
はな
)
で、あの
紫
(
むらさき
)
のすみれではありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
べつに、一書を
草
(
そう
)
して水火刀封の旨を記載し、彼はそれを、日ごろ愛用のやすり箱へしまいこんで、はじめて安堵して永久の眠りについたのだったが——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この文を
草
(
そう
)
するよりは、むしろ
退
(
しりぞ
)
いて己れ、果たして忠なるか、己れ果たして孝なるかを考えるほうが筆取るよりも急務ではないかとまったく思わぬでもない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
階下の一室は昔しオルター・ロリーが
幽囚
(
ゆうしゅう
)
の際
万国史
(
ばんこくし
)
の
草
(
そう
)
を記した所だと云い伝えられている。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
虚空
(
こくう
)
と、鈴慕の秘曲を習わんと苦心しましたが、当時の
先達
(
せんだつ
)
が、誰も秘して伝えてくれないものですから、
遥々
(
はるばる
)
と長崎までたずねて行って、ようやくあの『
草
(
そう
)
』の手を覚えて来て
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先生はかくかくの
趣意
(
しゅい
)
にて一篇の文を
草
(
そう
)
したるが、当分は世に
公
(
おおやけ
)
にせざる考にて人に示さず、これを示すはただ貴君と
木村芥舟
(
きむらかいしゅう
)
翁とのみとて、その大意を語られしに、翁は非常に喜び
瘠我慢の説:01 序
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
是がどういう事を意味するかはすでに一文を
草
(
そう
)
してこれを語ったのだがまだ発表せられていない。何か鼠の島に関する言い伝えは他の地方にも無いかどうか。私はもっと多くを知りたい。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかし弔辞の処女作には多少の興味を持っていたから、「悠々たるかな、
白雲
(
はくうん
)
」などと
唐宋八家文
(
とうそうはっかぶん
)
じみた文章を
草
(
そう
)
した。その次のは
不慮
(
ふりょ
)
の
溺死
(
できし
)
を遂げた
木村大尉
(
きむらたいい
)
のために書いたものだった。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その席上でわたしがひそかに筆記したもの、あるいは記憶にとどめて書いたもの、
数
(
かぞ
)
うればまだまだたくさんあるので、その拾遺というような意味で更にこの「近代異妖編」を
草
(
そう
)
することにした。
こま犬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこで右に挙げた四論文の第一を
草
(
そう
)
し、二商品相互の交換の場合につき、各交換者の欲望の最大満足の問題の解法を、充された最後の欲望の強度が交換価値に比例せねばならぬことによって示し
純粋経済学要論:01 上巻
(新字新仮名)
/
マリー・エスプリ・レオン・ワルラス
(著)
小説『すみだ川』を
草
(
そう
)
したのはもう四年ほど前の事である。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
然るに新報社は保に退社後なお社説を
草
(
そう
)
せんことを請うた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
草
(
そう
)
と
行
(
ぎょう
)
だ、それくらいの違いはあるだろうよ」
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
燈下に
草
(
そう
)
して里人にあとう
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
れんげ
草
(
そう
)
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何であろうか、わき目もふらず、奉書七、八枚に達筆を走らせ、
草
(
そう
)
し終ると、二重に厳封して、封の表に太く強く、「
上
(
じょう
)
」と書いて机にのせ、しばらく腕をくんでいた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゆふべ、
實
(
じつ
)
はこの
春
(
はる
)
の
野
(
の
)
へ、れんげ
草
(
そう
)
を
摘
(
つ
)
みにと
思
(
おも
)
つて
來
(
き
)
た、その
自分
(
じぶん
)
が、あんまり
野
(
の
)
のなつかしさに、
家
(
いへ
)
へも
歸
(
かへ
)
らないで、つひ/\、そこで
一晩
(
ひとばん
)
寢
(
ね
)
て
暮
(
くら
)
したといふ
意味
(
いみ
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
幸ひに
可忌
(
いまわし
)
い坊主の影は、公園の一
木
(
ぼく
)
一
草
(
そう
)
をも
妨
(
さまた
)
げず。又……人の
往来
(
ゆきか
)
ふさへ
殆
(
ほとん
)
どない。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は本紙に、近代の恋愛観というのを
草
(
そう
)
し、連載中燁子事件突発。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その夜、義貞は灯をかきたてて、痛烈な反駁の一文を
草
(
そう
)
し、あくる日ただちに上覧にいれた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
路々
(
みちみち
)
、
唐黍
(
とうきび
)
畑も、おいらん
草
(
そう
)
も、そよりともしないで、ただねばりつくほどの暑さではありましたが、
煙草
(
たばこ
)
を買えば(私が。)(あれさ、
細
(
こまか
)
いのが私の方に。)と女同士……
東京子
(
とうきょうっこ
)
は小遣を使います。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また別な説には、一日に百
草
(
そう
)
を
嘗
(
な
)
めつつ人間に食物を教えた
神農
(
しんのう
)
はたびたび毒草にあたったが、茶を得てからこれを噛むとたちまち毒をけしたので、以来、秘愛せられたとも伝えられている。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
“草”を含む語句
草鞋
草原
水草
煙草
雑草
萱草
草履
草臥
巻煙草
草花
枯草
海草
草生
青草
莎草
煙草入
草葉
草書
鴨跖草
大草原
...