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依附
而るに
形躯を
変幻し、
草に
依附し、
天陰り雨
湿うの
夜、月落ち
参横たわるの
晨、
梁に
嘯いて声あり。其の
室を
窺えども
睹ることなし。
矧んやこの清平の世、
坦蕩の時においておや。而るに
形躯を変幻し、草木に
依附し、天
陰り雨
湿うの夜、月落ち
参横たわるの
晨、
梁に
嘯いて声あり。
と、其処に
草鞋虫の一杯
依附った古草履の
片足か何ぞが有る。
好い物を看附けたと言いそうな
面をして、其を
咥え出して来て、首を一つ
掉ると、草履は横飛にポンと飛ぶ。