“矧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
54.2%
まして12.5%
いわ12.5%
まし8.3%
いわん4.2%
いはむ4.2%
いはん4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兄の定綱は、父秀義にも劣らない、矢をぐ事の上手であったが、ある夜兄弟して、夜業よなべに矢をはいでいるのを、頼朝が見て
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ましてや「カピトリウム」に登り、「トラステヱエル」(河東の地なり、テヱエル河の東岸に當れる羅馬の一部を謂ふ)
いわんやこの清平の世、坦蕩たんとうの時においておや。而るに形躯けいくを変幻し、草木に依附いふし、天くもり雨湿うるおうの夜、月落ちしん横たわるのあしたうつばりうそぶいて声あり。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
三人の通った座敷の隣に大一座おおいちざの客があるらしかった。しかし声高こえたかく語り合うこともなく、ましてや絃歌げんかの響などは起らなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
どんな事があっても怒った事はない。いわんや朋輩同士で喧嘩をしたと云うことはただの一度もない。ツイゾ人と掴合つかみあったの、打ったの、打たれたのと云うことは一寸ちょいともない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いはむや月ごとに数十金をてて無用の淫書を買ふは、わたくしの能く耐ふる所でない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
いはんや彼人は物におそるゝこと鹿子かのこの如く、同じ席につらなるものもたやすく近づくこと能はざるを奈何せん。われは必ずしもかの人心より此の如しと説かず。