まし)” の例文
三人の通った座敷の隣に大一座おおいちざの客があるらしかった。しかし声高こえたかく語り合うこともなく、ましてや絃歌げんかの響などは起らなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかし証拠が無い。ましてや確証とすべきものは無い。又試みに石川成章は何故に、何時より何時に至るまで関五郎と称したかと問はむに、何人もこれに答ふることが出来ない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)