“いふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
畏怖61.9%
11.3%
8.2%
3.1%
胃腑3.1%
3.1%
依附2.1%
医巫1.0%
姨夫1.0%
威怖1.0%
1.0%
1.0%
氣經1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戦場に立てば、驍名ぎょうめい敵を畏怖いふせしめるに足る猛将利三としみつが、小姓の手もからず、光秀の小袖からはかまをはく手助けまでしているのだった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾妻はばし川地のおもてながめ居りしが、忽如たちまちあをりて声ひそめつ「——ぢや、又た肺病の黴菌ばいきんでもまさうといふんですか——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
あげ何卒なにとぞゆるしてたべわたしは源次郎といふをつとのある身金子が入なら夫より必ずお前にまゐらせん何卒我家へ回してと泣々なく/\わびるを一向聞ず彼の雲助くもすけは眼を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一人いちにんづいと行逢ゆきあひ、そでいて、ながいふし、くつどのがを、ひしとにぎつて
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僕はあなたに精神を感ぜずに世間を感ずる。芸術家の気品を感ぜずに、人間の胃腑いふを感ずる
ダス・ゲマイネ (新字新仮名) / 太宰治(著)
一年ひとゝせ夏の頃、江戸より来りたる行脚あんぎや俳人はいじんとゞめおきしに、いふやう、此国の所々にいたり見るに富家ふかにはには手をつくしたるもあれど、かきはいづれも粗略そりやくにて仮初かりそめに作りたるやうなり
いわんやこの清平の世、坦蕩たんとうの時においておや。而るに形躯けいくを変幻し、草木に依附いふし、天くもり雨湿うるおうの夜、月落ちしん横たわるのあしたうつばりうそぶいて声あり。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しゅうとめに孝行で、その夫が外へ往っていて、姑が重い病気にかかり、医巫いふも効がないので、斎戒沐浴さいかいもくよくして天に祈り、願わくば身をもって代りたいといって、ももを割いて進めたから、病気が癒った、で
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
又其発程が二十五日より前であつたことは、二洲が姨夫いふ春水に与へた書に徴して知ることが出来る。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
心の底では十分にもう範宴の存在がなるものに見えてきて、威怖いふをすら感ずるのであるが、小人の常として、それを真っ直にいうことができないで
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つかはされしかば捕方とりかたの者共長庵が宅の表裏おもてうらより一度に込入たる然るに長庵はことわざにいふくさい者の見知みしらずとやら斯かる事とはゆめにも知らず是は何事ぞと驚く機會とたんに上意々々とよばはるを長庵は身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
無心のあとはいふ情の
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)
言説する義の「いふ」は氣經いふであり、鼾聲の「いびき」は、氣響いきひゞきの約である。萎頓困敝の「いきつく」は氣盡いきつくで、奮發努力せんとするの「いきごむ」は氣籠いきごむである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ここおいこれ追撃つゐげきして、つひうしなところ封内ほうない(三〇)故境こきやうりて、へいいてかへる。いまくにいたらず、(三一)兵旅へいりよき、約束やくそくき、誓盟せいめいしてしかのちいふれり。