大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ウィリアム・ウィルスン (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
罪と罰 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
武州公秘話:01 武州公秘話 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
人々の心が畏怖につつまれた中において、イエスは「事終わりぬ」と言った。これは「もうだめだ」という意味ではなく、かえって積極的に万事完了したとの意味である。
ウェストミンスター寺院 (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
問題はただかくのごとき想像の中で、果してどこまでは一応根拠のある推測であり、またどの点からさきが単に畏怖に基づいたる迷信、ないしは誤解であったろうかということである。
ふと娘が、いつも喫茶店などで見かける平凡な小娘たちの一人になり、四谷の屋敷やプールの現実に連続した時間の中に私はいた。娘への奇妙な畏怖の幻影が失われて、私は彼女を見た。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私が畏怖をもって述べる事がらのなかに、ごく自然な原因結果の普通の連続以上のものを認めないようになるであろう。
黒猫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄―― (新字新仮名) / 中島敦(著)
ウィリアム・ウィルスン (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
自分もこの老いさらぼえた山人に何とはなしに畏怖の念をいだいていたが、しかしその「山オコゼ」というのがどんなものだか知りたいという強い好奇心を長い間もちつづけていた。
背後に、元老の鶴屋北水の頑強な支持もあって、その特異な作風が、劇壇の人たちに敬遠にちかいほどの畏怖の情を以て見られていた。さちよの職場は、すぐにきまった。鴎座である。