「非常時」というなんとなく不気味なしかしはっきりした意味のわかりにくい言葉がはやりだしたのはいつごろからであったか思い出せないが、ただ近来何かしら日本全国土の安寧を脅かす黒雲のようなものが遠い水平線の向こう側からこっそりのぞいているらしいと …
| 著者 | 寺田寅彦 |
| ジャンル | 社会科学 > 社会 > 社会福祉 |
| ジャンル | 自然科学 > 地球科学・地学 > 地球科学・地学 |
| 初出 | 「経済往来」1934(昭和9)年11月 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約15分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約25分(300文字/分) |