“厄払”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やくはら55.6%
やくばら22.2%
やくばらい11.1%
やくはらひ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「満山の大衆だいしゅ」手で鼻を抑え、声まで変らせて、西塔さいとう、東塔、叡山えいざんの峰、谷々にある僧院の前へ行っては、厄払やくはらいのように、呶鳴ってあるくのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると人はきっと何かしら神秘的な因果応報の作用を想像して祈祷きとう厄払やくばらいの他力にすがろうとする。国土に災禍の続起する場合にも同様である。
天災と国防 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
豆を家族の年の数ほど紙に包みてそれを厄払やくばらいにやるはいづこも同じ事ならん。たらの木にいわしの頭さしたるを戸口々々にはさむが多けれどひいらぎばかりさしたるもなきにあらず。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
おのれ江戸にありし時、厄払やくはらひが鬼をかいつかみて西の海へさらりとなげたるを見たる事あり、その鬼は黒かりし。江戸の歳越としこしにさへ夜は鬼のありくなれば、こゝらのとしこしには鬼はいくらもありくべし。