“忍返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しのびがえ36.8%
しのびがへ31.6%
しのびがえし21.1%
しのびかえし5.3%
しのびがへし5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この後者の仲間の中に一際目立って、ニューゲートの忍返しのびがえしを打ってある塀の一小片が生きて来たように、ジェリーが立っていた。
道に沿ふて高い石垣をきづき、其の上へ城のやうに白壁の塀を𢌞めぐらした家もあつた。邸風やしきふう忍返しのびがへしが棘々とげ/\長屋門ながやもんの横に突き出てゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
しかしてすべてこの世界のあくまで下世話げせわなる感情と生活とはまたこの世界を構成する格子戸こうしど溝板どぶいた物干台ものほしだい木戸口きどぐち忍返しのびがえしなぞいう道具立どうぐだてと一致している。
よしんば錠が下してなかったとしても、その窓の外には、台所の屋根の上に二坪ほどの物干場があり、その周りには厳重な針金の忍返しのびかえしがついている。
銀座幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
銃槍じゆうそう忍返しのびがへしを打ちたる石塀いしべいあふれて一本ひともとの梅の咲誇れるを、ななめに軒ラムプの照せるがそのかどなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)