“しのびがへ”の漢字の書き方と例文
語句割合
忍返100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前庭まへには植込うゑこみには、きりしまがほんのりとのこつて、をりから人通ひとどほりもなしに、眞日中まつぴなか忍返しのびがへしのしたに、金魚賣きんぎようりおろして、煙草たばこかしてやすんでゐた。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
片側かたかは朝日あさひがさし込んでるので路地ろぢうち突当つきあたりまで見透みとほされた。格子戸かうしどづくりのちひさうちばかりでない。昼間ひるま見ると意外に屋根やねの高いくらもある。忍返しのびがへしをつけた板塀いたべいもある。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「大變な奴だ、——棒一本で塀を越した上、離屋はなれひさしに登つて、忍返しのびがへしをけ/\此處まで來ると、欄間をコジ開けて音も立てずに入るとは——」