“棘々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とげとげ66.7%
とげ/\33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれは、女のことばが、いちいち、村上賛之丞のかわりになって、棘々とげとげしく、自分に、責め、さからって来るように思われてならない。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
町の医者は「それは潔癖症といって一種の精神病患者です」というが、病的というほどの痙攣ひきつって棘々とげとげした感じのものは持っていません。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
道に沿ふて高い石垣をきづき、其の上へ城のやうに白壁の塀を𢌞めぐらした家もあつた。邸風やしきふう忍返しのびがへしが棘々とげ/\長屋門ながやもんの横に突き出てゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
六十といふにしては、ひどい衰弱で、骨と皮ばかり、昔は立派であつたことと思ふ人品も、賤しさと棘々とげ/\しさに、人の眼に不氣味に燒きつきます。