“とげとげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
棘々44.4%
刺々41.7%
尖々8.3%
棘棘2.8%
荊々2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
町の医者は「それは潔癖症といって一種の精神病患者です」というが、病的というほどの痙攣ひきつって棘々とげとげした感じのものは持っていません。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼女は、幸福に優しく抱擁される代りに、恐ろしく冷やかに刺々とげとげしい不調和と面接し、永い永い道連れとならなければならなかったのである。
地は饒なり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
かぎる黒い尖々とげとげ山稜さんりょうの向うにちて薄明はくめいが来たためにそんなにきしんでいたのだろうとおもいます。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
へると、どうもゆとりがい、棘棘とげとげぎる。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
剣という秋霜しゅうそうの気が、その人の全部かのように荊々とげとげしく思われて来たが、彼の仮名文字かなもじをようく見つめているとわかる。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)